第11話 相変わらずと変わったこと
夏の大会を終え、3年生が引退し、新チームになった。
アイツは相変わらず、チームの足を引っ張っていた。
上山と金子は相変わらずアイツをからかっていたが
アイツも相変わらずめげなかった。
変わったことといえば
上山と金子以外のチームメイトたちが
アイツのことを徐々に、認め始めていったことだ。
アイツはとにかく熱心に練習をしていた。
そして、グラウンド整備や荷物持ち、後片付け、用具の手入れなども
誰もが関心するほど、進んでやっていた。
一度、アイツが言っているのを聞いたことがある。
「僕はプレーでチームに迷惑かけてるから、
せめて役に立てることは、しっかりとやっておきたいんだ」
オレは気が付くとアイツを目で追っていた。
そして気付いたことがある。
入部した頃は、ランニングや筋トレでも後れを取っていたアイツが
最近ではしっかりと付いて来れるようになっていること。
体も一回り大きくなってきたこと。
しかし、残念なことに、相変わらず野球はへたくそだった。
もし他のスポーツをやっていたら
もしかしたら少しは上手くなったのかもしれないが
どうみてもアイツには野球のセンスがない。
聞いた話では、高坂はハンドボール部で
すぐにレギュラーになったようだ。
そしてまた、月日は流れて、オレ達は2年生になった。
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