おかえり、愛しい人

作者 機人レンジ

しかし、死は厳然としてそこにある。

  • ★★★ Excellent!!!

妻のクローンを作った研究者が、息子の恋人を殺し、自死した。
この小説は、自死した研究者の遺書である。

研究者は罪を犯した。
妻の死に耐えられず、そのクローンを作り始めたのだ。
しかし、彼は途中でハタと気づく。
妻が残してくれた息子を守ることこそが、妻への愛ではないのかと。
しかし……。

受け入れがたい事実。死だけはもう取り戻せないのだ。
しかしここに、本来取り戻せないものを取り戻せてしまえる人物がいる。
クローン研究者。彼はやってはならない禁忌をおかす。

彼の過ちの発端には愛情がある。そして弱さがあった。
最先端の技術という硬質なものと、愛情という不定形なもの。
その混ざり具合が絶妙な良作である。

カクヨムのSFといえば機人レンジ。
一話読み切り。是非、ご賞味あれ!

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