★★★ Excellent!!! 生命倫理と、どこまでが愛なのかを問う作品 トーヤ 近未来中に登場するであろうクローン人間の問題を、愛と生命倫理のドラマで提起する素晴らしいショートショート。 徹底的にクローンを一人の個人扱いしない父子のグロテスクな身勝手さが壮絶。 これを愛と呼ぶのだろうか? レビューいいね! 1 2020年6月13日 13:11
★★★ Excellent!!! 愛と名付けられたエゴイズムが生んだ狂気 れんげそう 不完全な複製品であるクローン。 科学者である父が犯した禁忌から始まる罪と罰。 罪に等しい罰が与えられるまで終わらないのであれば、この罪の連鎖はいつになれば贖われるのか。 それは神のみぞ知る レビューいいね! 2 2020年2月1日 19:00
★★ Very Good!! あるいは現代のフランケンシュタイン 霧江 最後までドキドキしながら読ませてもらいました。 クローン技術が生み出すのは、フランケンシュタインの怪物よりも美しくて残酷な存在なのかもしれません。 主人公の父の長い告白から物語は語られていきますが、『僕』が最後に取った行動は実に衝撃的でした。 オススメです! レビューいいね! 1 2020年1月27日 07:55
★★★ Excellent!!! 人はそれを愛と呼んだ mora。 人を創る。 それが倫理的に許されなくても。罪だとしても。 愛がそうさせるのだ。 いや、愛という名のエゴかもしれない。 レビューいいね! 1 2020年1月26日 18:25
★★ Very Good!! 愛も記憶も複製できない、けれど。 夏野けい 愛した人のかけらを集めるように、その血を未来に残したいと望んでしまうのは人間のさがなのでしょうか。 同じ遺伝子を持っていても、記憶もなければ育ち方も環境によって変わります。それでも、その肉体をそばに置きたいと思ってしまうのは、もういちど「おかえり」と言いたいと思うのは、罪なのでしょうか。 読み終えても、問いが頭をめぐっています。 レビューいいね! 1 2020年1月24日 21:56
★★★ Excellent!!! 一途さという狂気 水凪 らせん ぞくりとする面白さです。 SFというのは、あるかもしれない未来に連れていってくれるジャンルだと思っているのですが、その『あるかもしれない』がとてもリアル。 一途すぎる愛情の果てに、父親はとんでもない罪を犯してしまう。その告白がメインとして綴られます。 それで終われば、うんうん、なるほど、で読了となったのですが、私が『ぞくりとする』と感じたのはその先にありました。 父が成してしまった罪。その最後の仕上げが、息子の時代には容易く成せる物になっている。この事実。SFって凄い! 皆さんはどう感じられるでしょうか。是非、感想を! レビューいいね! 3 2020年1月21日 14:55
★★★ Excellent!!! 狂気 烏目浩輔 強い愛は狂気と紙一重だなと、背筋がひんやりとする作品です。 そして、最後は意外な結末が。 難しいテーマのお話ですが、読者をグイグイ引っ張っていく文章で、気づいたら読み終えています。 みなさんもぜひ読んでください。 レビューいいね! 1 2020年1月18日 05:04
★★★ Excellent!!! いつか起こり得るかもしれないかと思うと怖い。 ホシノユカイ SFは個人的にあまり読まないわたしですがクローンとなるとなんとなく引きつけられてしまいました。SFでもあるが怖くもあり、現代?と言うかヒューマンドラマとしても言えるのではないでしょうか。 クローンは人間でやることは禁止されてるんでしたっけ?でもいつかは試みる人がいるでしょう。 人間の欲は怖い。そう言うのがわたしは好きなのでとても面白く読ませていただきました。 レビューいいね! 2 2020年1月15日 20:47
★★★ Excellent!!! しかし、死は厳然としてそこにある。 如月ふあ 妻のクローンを作った研究者が、息子の恋人を殺し、自死した。 この小説は、自死した研究者の遺書である。 研究者は罪を犯した。 妻の死に耐えられず、そのクローンを作り始めたのだ。 しかし、彼は途中でハタと気づく。 妻が残してくれた息子を守ることこそが、妻への愛ではないのかと。 しかし……。 受け入れがたい事実。命だけはもう取り戻せないのだ。 しかしここに、本来取り戻せないものを取り戻せてしまえる人物がいる。 クローン研究者。彼はやってはならない禁忌をおかす。 彼の過ちの発端には愛情がある。そして弱さがあった。 最先端の技術という硬質なものと、愛情という不定形なもの。 その混ざり具合が絶妙な良作である。 カクヨムのSFといえば機人レンジ。 一話読み切り。是非、ご賞味あれ! レビューいいね! 1 2020年1月14日 13:26
★★★ Excellent!!! 連なるスパイラル。きっとその先も…… 近藤銀竹 父の行い(過ちとは書きにくい)による産物を、偶然か運命か背負ってしまった息子に降りかかる悲劇。 恋人の出自。 そして結末。 運命的に連なってしまう「彼女」の存在こそが悲しいです。 ほの暗い未来が暗示されるような場所で産まれる、最後の「彼女」。今度こそ平穏に生を全うしてほしいです。 レビューいいね! 2 2019年12月30日 01:10
★★★ Excellent!!! 父親の独白を受けて、息子は何を思う。 やまもン 是非、読んでみてください。 読み通した時、アナタの頭の中は筆者が提起する問題で埋め尽くされることでしょう。 練られに練られた展開は天晴れの一言。 レビューいいね! 1 2019年12月29日 23:57
★★ Very Good!! メスの矛先 マスケッター 今から三十年ほど前。 敢えて名前は伏せるが、アメリカ合衆国のとある有名な医科大学が一つの実験を試みた。 先天性の障害に無脳児という形態異状(※れっきとした医学用語であり、数年前に別な表現から左記の通りに改められた)が存在する。文字通り、大脳の大半が最初から存在しない胎児である。 大半は出産前後に死亡するが、当該大学はその無脳児の内臓を、別な……脳以外の……形態異状を持つ新生児に移植しようとするものであった。例えば、生まれつき腎臓の具合が良くない新生児に、無脳児のそれを移植する、という具合に。 結論から述べると、この計画はほぼ完全に失敗した。マスコミに公表した直後から、当該大学はあらゆる非難にさらされた。そもそも移植手術そのものをほとんど実行出来なかった。 翻って、本作。中世的な因果の巡り合わせと、現代的な倫理観と、近未来的な主義主張が恐るべき(この表現がこれほど明確に当てはまる作品も珍しい)力量によって混沌の一致を果たしている。いつまでもいつまでも、戦慄に満ちた産声が轟き続けるだろう。 詳細本作。 レビューいいね! 1 2019年12月29日 23:17
★★★ Excellent!!! 死んだ人を蘇らせるのは罪か否か。 宇部 松清 大事な人を失ったとして、もし、自分にその人を蘇らせる力があったとしたら、どうしますか。 それがもし、魔法で、『その人』が生き返るんだったら、私は間違いなく生き返らせると思います。 だけど、このお話はそんなファンタジーじゃないんです。 クローンで蘇らせるんです。つまり、厳密には、『その人』じゃないんです。 でも、それが出来る環境があったとしたら……? 『おかえり、愛しい人』 このタイトルもまた秀逸です。 レビューいいね! 1 2019年12月26日 13:35
★★★ Excellent!!! なんという因果 達見ゆう 一見、理不尽に思えた父の行動。その真実は……。 読んでいて震えました。その上で主人公の取った行動。 短いのにありとあらゆるSFと倫理観が圧縮された傑作です。 レビューいいね! 1 2019年12月24日 21:33
★★★ Excellent!!! 生命と科学。それは愛か狂気か執着か。 野々ちえ 父親に婚約者を殺された主人公。凶行の末自殺した父親の遺書から、その動機が明らかになっていくのだが―― 生命と科学者たちの暴走。ラストまで読んだとき、あらためてタイトルを見て鳥肌が立ちました。わずか9千字とは思えない重厚なSFストーリーです。ぜひ読んでみてください。 レビューいいね! 1 2019年12月24日 15:21
★★★ Excellent!!! 死んだ人間を蘇らせるのは罪なのか? 盛田雄介 愛しい恋人が自らの父によって殺された事から物語は始まります。 そして、主人公は父の残した遺書を読み、その罪深かき父の所業と恋人が殺された理由を知る事になります。 凄く濃厚なSFストーリー。 生命に対する倫理観を考えさせられると共に、進み過ぎる科学の罪深さを感じました。 是非、ご覧ください。 レビューいいね! 1 2019年12月24日 10:12
★★★ Excellent!!! コンプレックス大爆発 河原オリオン クローン生命を題材とした作品から切っても切り離せない倫理観の話、アンド、古典文学の時代から語られ続けてきたエディプス・コンプレックスを上手く1万字弱の物語の中に落とし込んだ作品。 クローン技術が生まれ、AIが台頭し、この物語を載せるインターネットという媒体が公然のものとなっている21世紀の、新たなる『オイディプス』です。 レビューいいね! 1 2019年12月22日 18:34
★★★ Excellent!!! 科学者達の狂気 須藤二村 凶行の末自殺した父からの遺書で始まる書簡体小説です。 読み進むうち明らかになる凶行の理由と理不尽な運命。主人公に同情心を抱きますが、それらをひっくり返す結末が読者に待っています。SFホラージャンルとしても、ショートショートとしても秀逸です。 科学者達の狂気の連鎖が引き起こす悲劇。既に個人でもヒトゲノム編集が可能になった現在、この様な事件もあり得ない話では無くなっているのかも知れません。 レビューいいね! 1 2019年12月22日 08:19
★★★ Excellent!!! 冷水を浴びせかけられたような読後感。 ハルカ 一行目から壮絶である。 読んでいるうちに自分の体温がぐんぐん下がっていくような錯覚に捕らわれた。 父も、子も、どうしてその行動を取らなければならなかったのか。 そこに至るまでの事情と心情の変化が丁寧に描かれている。 特に、父が悲願を叶えるために作業をする過程は臨場感がある。 他の研究者との駆け引きの場面にはハラハラした。 研究所の様子や技術の説明などもリアリティがある。 倫理の問題も無視せず描いているところに好感が持てた。 彼らの行為は本当に罪なのか。 果たして誰がそれを糾弾できるというのか。 生命の定義とは。人間の定義とは。 「神から彼女を取り戻したい」という言葉が胸にしみる。 わずか9,184文字のなかに過不足なくつづられたドラマは、さながら映画のようである。 最後の一行に親子の深い因果を感じ、 改めてタイトルを見て、また少し、体温が下がった。 レビューいいね! 1 2019年12月21日 23:06
★★★ Excellent!!! 逸脱と愛と正義の突きつける美しさ 佐宮 綾 この物語が突きつけてくるのはどこまでも正義と愛なんですよね。正義とは何か。愛とは何か。守るべきものとは何か。その問いを全力で読む者にぶつけてくる。そして全ての行動の根本に各々の思い、信念という一貫性がある。だからこそ美しいし、短編小説とは思えないきりりとして重厚な読後感を生んでいます。筆者がぶつけてきた問いの意味を、ぜひ、あなたの目で確かめてください。 レビューいいね! 1 2019年12月21日 17:45
★★★ Excellent!!! 突き付けられる倫理の刃 詩一 冒頭からとてつもない事態が発生します。 父親が自分の婚約者を殺したのです。 「え? どういうこと?」 そう思い読み進めます。頭の中には父の変質者的な部分を思い浮かべながら。 しかし父はとても優れた立派な人だった。 「じゃあなんで?」 物語の核は「どうして父は息子の婚約者を殺したのか」という部分。 父親の手紙視点で語られるそれは、とても写実的で、その場に自分が居合わせたかのよう。 父の独白にどんどんと引き込まれ、物語はいくつもの問いを読んでいる私にしてきます。倫理観、道徳観、概念、既知と未知、善と悪。そのどれもに、私は答えられないまま、最後の一文で鋭く切り付けられました。 この倫理の刃を、あなたは受け止められますか……? レビューいいね! 2 2019年12月19日 23:54
★★★ Excellent!!! 切なく、胸が張り裂けそうになる愛。真実に気付いた時、私は涙した。 無雲 読んでいて切なさで苦しくなりました。 愛は巡るもの、しかし時に巡ることがこの世のタブーに触れることもある。 どこまでが許され、どこからが罪なのか。 考えさせられ、涙が出ました。 レビューいいね! 1 2019年12月19日 10:57
★★★ Excellent!!! 廻る因果 きたのあかり 愛とは何か。 彼は彼女を取り戻したかった。 それは、愛だったのか。 それは、執着ではなかったのか。 衝動のままに科学者は禁を犯し、そして── 父と息子。 二人の科学者が真に求めたものは何だったのか。 そんな事を思いつつ、お話を反芻してます。 大変美味しゅうございました。 レビューいいね! 1 2019年12月17日 21:08
★★★ Excellent!!! 因果は輪廻となって巡る ムネミツ 死によって別たれた愛する者を取り戻す。 古来から語られてきた物語ですが、クローンと言う技術が それを現実にするかもと言う可能性の怖さと死すらも越えようとする愛の怖さ を感じ取れる作品でした。 レビューいいね! 1 2019年12月17日 20:23
★★ Very Good!! 家族になろうよ 濱野乱 父親が息子の最愛の人を殺した。そこに至る経緯が、独白形式で語られる。神の領域を犯した罪と罰に、倫理観を揺さぶられる。 レビューいいね! 1 2019年12月17日 17:32
★★★ Excellent!!! 禁忌はどこまでが、禁忌なのか 玉藻稲荷&土鍋ご飯 僕の前に、父さんと大事な人の死体がある。 それを作り出したのは父さんだ。 だから、僕はそれをやり遂げるんだ。 父の遺書の秘密。恋人の秘密、そして……。 誰が悪かったのか、誰にも分からないまま繰り返されるそれは、悪魔の円環か、幸せのループか。 レビューいいね! 2 2019年12月16日 23:07