第4話
イメージを膨らませてのひとり芝居も、毎日繰り返していると上達するものである。
以前は軽いむなしさを感じていた一人暮らしのアパートへの帰宅も、最近は楽しみにすらなってきた。
「最近お前、なんだか生き生きしているな。さては彼女が出来ただろ?」
会社の同僚にそう勘繰られるほどだ。
会社の帰り道、ケーキ屋に立ち寄ることにした。
しずかが大好きなイチゴショートケーキを買うためだ。
「しずか、たまにはマロンじゃダメか?そうかやはりイチゴじゃないとダメか・・」
うっかり独り言を声に出してしまって、店員に怪訝な顔をされてしまった。
注意しなければならない。
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