再び走り出す

第8話 謎が謎を呼ぶ

龍一郎は2人の女に治療されている...

外ではレミーナとサーリンがあらゆる魔力で龍一郎の愛車 大型ダンプのテラヴィを修復している...

龍一郎の仲間達は悲しくて仕方がない...

かつての一番星が亡くなった直後の事なのだ...

たが 大森だけは考えが違った...

大森はとある修理工場にて 龍一郎のダンプを運んだ積載車運転手 上村に会った

「おいにいさん あの日の事故現場でダンプを運んだ運転手か?」

「おう 俺だよ 大森さん」

「なるほどな...ワシの名を知ってるのか...にいさん おめぇなんという?」

「上村 雄大だ 上村と呼んでくれ」

「ほう...上村だな...聞きたいことがある あの日事故現場のあの炎上したダンプはどこへ運んだ? 具体的な場所を教えてくれ...」

「あの日はUターンして旧道に入って 急カーブ曲がった先の洋館に入ったよ...2人の女が指示したなぁ...前あのダンプを見た時横乗りさせてた女二人や...そこに降ろした そうそう ひとりは紅の長い髪してたな...もうひとりは黒くすらっとした髪だ あれほど綺麗な女は見た事ねぇ...この世のもんじゃねぇぐらいさ」

上村はタバコを咥えながら積載車のバンパーに腰掛けて言った

「ほう...なるほどな...ありがてぇ...」

大森は苦笑いしながらタバコに火をつけた

「だかなぁ...上村よ...あの女たちゃこの世のもんじゃねぇぜ...だか決して 悪ぃもんじゃねぇ...このワシが証明してるくらいさ...」

大森はタバコを軽く弾くと 上村を見て軽く笑いながら言った

上村は半信半疑だった...

大森にもそれがわかったのだろう...

「まあ時になれば仲間を集めるさ...幻を見せてやるぜ...」

大森は不気味けに笑いながら声を低めていった...


大森はその後 トレーラーを旧道へ走らせた

煙突マフラーはヒビが入って苔が生い茂ったアスファルトを轟かせた...

やがてあの急カーブへ差しかかる

大森は排気ブレーキをかける...

急カーブを過ぎたその時 不気味に洋館が現れる...

大森は驚きそして予想通りの感情を表した...

...あのダンプや あれが龍一郎のテラヴィや...

...ここまで修復されている...

...こりゃ人間業じゃ成せねぇ...

大森はそう考えると 軽くラッパを鳴らし トレーラーを発進させた...


...どれほど時間が経ったのだろうか...

...龍一郎はふと目が覚める...

「は?どうなっているんだ?」

...龍一郎の記憶はぐちゃぐちゃになった運転台の中に挟まれ 炎上し爆発した時で止まっている...

...身体を動かそうとすると 骨を撃つような痛み身体中を襲う...

...龍一郎は思い出した...

...あの時の事故と同じ場所だと...

...ならば 俺は生きているのか?...

龍一郎は考え始めた...

近くに置かれた新聞を何気に眺めた...

[美崎市内で交通事故発生 トラック運転手死亡]

そんな記事が目に飛び込む...

[29日夕方美崎市内にて大型トラックと普通乗用車の衝突事故が発生し 大型トラックと普通乗用車が炎上 運転していた自営業大型トラック運転手 近藤龍一郎(27)の死亡が確認 普通乗用車を運転していた男性(79)を自動車運転過失致死罪で書類送検された 警察は普通乗用車の急発進を事故原因とし 調査を進めている]

龍一郎は 訳が分からなくなった...


...俺は生き返ったのか? どうなっているんだ?...


ちょうどその時 部屋の扉の外から2人の女の話声がする...


龍一郎には聞いた事が無い声だ...

龍一郎は焦った...

...やがて 扉が開く...


続く...

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