主人公の気持ちとヒロインの気持ちが共に想像でき、互いに思っていたことが空回りし、すれ違っているところや、前世での微笑ましいエピソードを読むのがとても楽しかったです!
現実でもありそうな(ないかも)すれ違いで、主人公が前世で死んでしまうところでは思わず情景を思い浮かべてしまい、恥ずかしながら少しうるっときてしまいました笑
これからどう前世と現世の関係が発展していくのも楽しみにしています!頑張ってください!
題名が長いと物語がどういったものなのかわかりやすいので読んでもらいやすく有りだとは思いますが、狙う年齢層によっては題名を簡潔にするのもいいのではと自分は思いました。
クリスタがボロクソに言われているが自分のいる世界で生きていくために現実的な具体策を出して、解決しようとしているんじゃないか。
なによりもそれを支持しているのはその世界に生きている女王の発言からクリスタの正常性は裏付けされている。
しゃしゃり出てきて話をややこしくしているのではない。
主人公が好きだからこそ、その世界で主人公と生きるために出てきているんじゃないか。
(真奈と遥人の心理描写と会話を描けばクリスタや他のキャラの影が薄くなるため出てくるのはまた仕方ない)
人それぞれに生きてきた中での経験で色々な正義がある。
その正義のすれ違いが俺たちのいきる世界でも諍いをうむ。
それがこの物語から感じられるのは作品が生きているからこそのものだと解って貰いたい。
そしてここまで読者を感化させられているのは作者からしてみればなによりの幸せなのではないかと思う。
彼女は往った。些細な陰謀により、些細な油断が、彼との最後だった。
彼は逝った。些細な偶然による、募っていた昏い想いが、彼女との最後を教えた。
そして再び、2人は出会った。彼は王子と成り、彼女は聖女と為った。
後悔と疑惑と恋心が入り乱れ、奇跡の元に雨が降り注ぐ。
タイトルからは想像も付かない程に作りこまれた世界観と、感情の忌諱が細かく描かれていて、この物語に登場するキャラクターがそれぞれ「生きている」と感じさせてくれます。
そして、暗い感情や苦しい展開を交えながら少しずつ彼は成長し、2人の距離も少しずつ近付いていく。無駄な葛藤を抱え、悩み、そして思いをぶつけあう……彼やその仲間がとても現実感や人間性を携えていて、どうしてもその思い一つ一つに私たち読者は感情を動かされ、この世界に魅せられていくのです。
丁寧な時間軸と、丁度よいテンポで物語が進み、読んでいて飽きをまったく感じさせない所もすごいです。
もし僅かにでも興味が出たら、まず読んでみることをおすすめします。あなたもきっと、虜になるでしょう。