イデア・ワン

作者 前島ケイ

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194人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

イデア・ワン。良いレビューを書いて。


自分の人生の始まりが、世界の始まりのように錯覚する。
これは誰にもある感覚だと思う。
その錯覚をSFの世界観で表現し尽している。

風刺も効いていて、好きです。
私は、イデア・ワンを見たとき、まるで洗濯機みたいだ。と思いました。
次の洗濯機は、いったいどれほど人から「悩み」を奪い去るのだろう。

SF好きの人は絶対好きなディストピア感があります。
しかしただのディストピアでは終わらない、その宙ぶらりんの状態がまた、たまらなく思考を刺激するのです。いやあ、皮肉なものですね。我々は考えなければいけないのか。

★★★ Excellent!!!

――自分は社会人として時代を引っ張っている(きた)。
そう自負されている方も多いと思います。
しかし時代の流れは早い。
ちょっと立ち止まってしまうと、あっという間に取り残されて大変なことに!?
そんな恐怖を描いた作品。
未知の世界に飛び込まなくてはならない不安。全く他人事ではありません………

★★★ Excellent!!!


 補助脳としての画期的な商品、イデア・ワンは人間の社会を豊かにした。人類はその恩恵を受け更なる豊かさを手に入れる筈だった──。

 しかし……利己を求め思考を放棄した人類に真の未来はあるのだろうか?
 その疑問を描いたのが本作『イデア・ワン』。

 イデア・ワン自体は本来の役割を果たしているに過ぎませんが、その機能が拡充される度に人間は自ら衰退に向かう選択肢を選んでしまう。
 それもまた新たな進化の可能性を宿しているとも言えるが、種としての選択は正しいと言えるのかは疑問だろう。

 主人公視点からイデア・ワンが与える恩恵と問題を描く作者の演出の見事さ。そして、人類の果てを考えさせられる結末など秀逸な短編です。

 難しい話ではありません。あなたも是非『イデア・ワン』をお読みになってはいかがでしょうか?


★★★ Excellent!!!

AIのシンギュラリティ問題を彷彿とさせる今時のテーマでありながらも、宇宙をも認識できなくなるという想像力の飛躍が感じられる佳作でした。
終始シニカルでありながら、主人公のヒロイックな姿勢が物語としての基軸をきちんと作っていて、設定だけでは終わらない胸熱展開に魅せられました。
これから人類はいかにAIと付き合っていくのか、社会はどのように変容し、それでも変わらない人間の本質とは何なのかを問い詰めた作品だと感じました。
SFファンはもちろん、現代社会に問題意識を持っているすべての人に読んでいただきたい一作です。

★★ Very Good!!

人工知能は人の思考や知的な作業を補助すると言われているので、そう遠くない未来にこういう技術は登場し得るのかなと思いました。
でも、SF作品の中で見るのは珍しい気がしました。
一方、後半は『マトリックス』や『サマーウォーズ』を彷彿とさせる展開で、私にとってはおなじみのSFでした。

★★★ Excellent!!!

人間の脳が必要とする情報を瞬時に提供し、日々の知的労働を不要とするところまで開発の進んだシステム、イデア・ワン。
このシステムの快適さに、次第に深く依存していく人間たち。しかし、このシステムを運営する「プラトン」には、更なる目論見があり——。

現実よりはるかに快適な仮想世界。もしも、意識の中に広がる心地よい仮想世界から「現実」へ戻ることを、人間の心が拒み始めるとしたら?

もしかしたら近未来に直面するかもしれない、背筋が寒くなるような世界。気づけばハイテクノロジーの恐ろしい淵に立たされている感覚を、ぜひ味わってみてください。

★★★ Excellent!!!

ーーイデア、

それはプラトン哲学において重要な要素である。

日常を経て、我々は普段意識していない
真、善、美という答えのないものをアップデートしては破壊している。

本作は
仮想と現実を行き来しようとする、
もしくは行き来している人間の未来を『イデア』として、哲学的マトリックスでなぞっている秀作であると言えます。

読者には
近未来に対する答えを
現代の代表的哲学者マルクスガブリエルの著作と近づけると
本作の素晴しさは、より一層良くわかることでしょう。

答えの見つからない現代とその子として生まれる未来を
この本作で見つめていただくと
いかがでしょうか?

日南田ウヲ

★★★ Excellent!!!

この物語に一歩足を踏み入れた瞬間から、ねっとりとした恐怖が絡み付いてきました。

そうして読み終えて、ああ、自分は思考していたいのだと、初めて自覚しました。

これは、いつか私たちの前にやって来るかもしれない未来の話。

そして、私たちの社会が当たり前に受け入れてしまうかもしれない未来の話。

あなたはこの世界を愛せるでしょうか。

★★ Very Good!!

この話を読んで、自分は仮想世界で生きていくことを否定できませんでした。むしろそれが幸せかもしれないとさえ思いました。つくられた宇宙に慣れてしまったせいで、本物の宇宙を本物だと思えなくなる、という描写が印象的でした。虚構が現実を凌駕することは、既に起きつつあるので、それについて改めて考えさせられました。ディストピア小説の、『すばらしい新世界』に通じるものがあると思いました。

★★★ Excellent!!!

思考を人間になり替わって行ってくれる機械、イデア・ワン。
主人公はその恩恵を肯定的にとらえています。
そしてイデア・ワンを愛用してる彼の家族が、イデア・ワンの影響で変わっていきます。

家族の変化を目の当たりにして、主人公の気持ちが変化する様が見どころです!

果たしてこのような機械が普及した世界が幸せな世界なのか……

考えさせられる内容でした。

★★★ Excellent!!!

人間とは日々、雑多な事柄に悩まされるものです。
仕事、学校、家事、人間関係etc……
そうした柵から解放してくれる存在がイデア・ワンです。
でも、同時に思考を放棄するというのは自我を失うということなのではないでしょうか。
このサイトにいる読者の方も、筆者の方もいろんな思いを持って作品を読み、感想があるかと思います。
それはとても大切なことだと逆説的に表している作品なのかなと感じました。

★★ Very Good!!

私が生まれ、育ち、経験する中で身につく所謂「常識」と呼ばれるものに関して、どれほどのものを自分の言葉で説明あるいは表現できるだろうか…

もし仮に私が生まれたその時から、イデア・ワンのような技術が常に隣にあったのなら、結論は考えるまでもないだろう。
「常識」すなわちイデア・ワンの申すことである。

技術の発展により世の中の多種多様な情報が集まる一方、去年1年間を振り返っても自分で経験し、考え、実感したことの如何に少ないことか。
パソコンの導入、インターネットの普及、キャッシュレス決済などなど…日々便利になりゆく世の中で、デジタルのない始まりを知るからこそ今の私は抵抗感故に踏みとどまることができるだろう。
だが、子、孫となればどうだろうか…

様々悶々と考えさせられる作品でした。
とても面白かったです!

皆が何者にもなれる反面、何にもなれない時代がきっと僕らのすぐ近くにあるんだろうナァ。

★★★ Excellent!!!

電車に乗っていてふと顔を上げると、大人も子供も皆して電子機器を絶え間なく触っているのに気が付きます。
スマートフォンやパソコンは分からない事に対する答えがすぐに出てきて便利ですが、一方で直接見て触れて学ぶ新鮮さや感動は薄れていきました。

私が小さい時に比べると化学は物凄いスピードで進化を遂げました。
このままいけばこの作品のような世界がフィクションではなくノンフィクションになるのも時間の問題でしょう。
世界には既にAIが活躍しているので、あと一歩です。

どうか数十年後、何百年後もこの物語が”フィクション”として読まれますよう祈っています…!
とても考えさせられるお話でした。

★★★ Excellent!!!

ぐいぐい惹きつけられる、リアリティのあるストーリーがまずめちゃめちゃ面白いんですけど……

なによりも、読んでて戦慄するのが、
「淡々とした」機械みたいな主人公の語り口。


もし作者様の意図とズレてしまっていたら申し訳ないのですが……
個人的に感じたのが、あらゆる「修飾」をあえて一切排除するような文章構成が、
無機質なテキストの文字に、脳に埋め尽くされていくような感覚があって…

他の作品では味わえない、独特なトリップ感がありました。


…うーん、なんかうまく言葉に出来ないw
とにかく読んで!

★★ Very Good!!

現代社会に通じるところがたくさんあり、拝見していて、とても考えさせられる作品でした。
まだ現実的ではないはずの舞台設定なのに、きっと今の時代を生きる僕たちが漠然と感じている不安の氷山の一角を描いているような気がしました。それ故か、フィクションとして処理できないどこか怖さのようなものも少し感じました。

とはいえ、作品としてとても勉強になることばかりで、続きが気になるような話でした!

★★★ Excellent!!!

このストレス社会の中で、便利すぎる機械は我々の生活の一部となってしまった。

SNSでの交流。
ゲームのなかの仮想現実。

幻想と現実の境が曖昧になりつつある現代で、
外の世界から内側の世界へと、人はもう一つの『世界』に希望を見出してしまう。
そこには苦しみもなければ、嫌なことも忘れられる人工的な理想郷。

火を手にした人類が、その後どうなったのかなど歴史を見ても明らかだ。

あまりSFを読まない私でも圧倒される物語。
短編ということも、あっさりとした結末の中に重苦しい現実感がのしかかる。

ぜひ、その手に携えた『機械』で楽しんでもらいたい。



★★★ Excellent!!!

近未来ストーリー。
人々はイデア・ワンという人工知能を利用し、日々の生活を送っていた。
生活の悩み、仕事の悩みなど、あらゆる行動をサポートしてくれる。

主人公は息子と2人暮らしをしており、便利なイデア・ワンを息子にも与えていた。

そして、2人の生活は次第に変化していく。


SFストーリーでありながら、便利な世の中になっている現代への警告ストーリーでもある。

是非、ご覧ください!

★★ Very Good!!

人を知的労働から解放する機械、イデア・ワン。
自分の代わりに思考してくれるイデア・ワンがあれば、人々は余計なことを考えず物事の決定のみに集中することができる。

最初は思考の放棄による人類の衰退、機械の台頭のようなよくある話かと思って読んでいました。

でも、そうじゃない。
便利になり過ぎた機械は、人から大切なものを奪っていく。

正直SFはそんなに読んだことがないのですが、それでもこの作品は設定が分かりやすく、さらに「どこまで機械に任せていいのか、便利さとは何か」と考えさせてくれます。

AIやVRなどが話題の今、もしかしたら近い将来こんなことが本当に起こり得るかもしれません……。

★★★ Excellent!!!

物語は、とある会社が開発した思考する機械「イデア・ワン」を軸に展開します。

このコンピューターのおかげで人々の生活はより便利になり、一層快適になりました。
主人公であり「イデア・ワン」を開発した会社の社員である「ぼく」も、そのことを疑いません。

しかし、事態は少しずつ不穏な展開を見せ、その流れに「ぼく」は抗うことができません。
また、「イデア・ワン」についてだけでなく、それを享受する社会、資本の論理、国家の反応など、随所にリアルな描写が挟まれており、見所が豊富な良作です。

私自身、SFは門外漢なのですが、kkkkさんの作品に関してはいつも圧倒されるものを感じています。それは自分の言葉が追いつかない種類の面白さと、充実した読後感を伴うのが常です。

とにかく面白い!
是非この稀な想像力を覗いて見てください。