━━ 第三章 ━━

━━人ニ刃アリ━━

━━昔、神童と呼ばれた一人の少年がいた。


少年は、顔形が整っており、立ち振舞いも何処か華があった。


学問も優秀だったが、剣の技術が図抜けていた。


小柄ながら大の大人を何人も打ち倒し、畑を荒らす熊さえも敵ではなかった。


ある日、少年は、“鬼”の存在を耳にする。


鬼は、体格が大きい上に気性も荒く、力も普通の人間より強かったため、逆らえば最悪殺されてしまうという。


近くの町をいくつも襲い、酒や食糧を強奪して、住み処である島へと帰って行くのだそうだ。


少年は、人間を苦しめている鬼を許せず、信頼できる3人の仲間と共に鬼の住む島へ向かい、見事に鬼を倒した。


後にその島は、少年の手によって家が建つようになり、一つの国が出来上がったとさ。


めでたしめでたし。


と、本来ならここで話のオチどころなのだが、それは、あくまで表向きの話━━。


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