第十二話 春介遼二サイド:エリーゼ先輩との遊戯

地球という世界から召喚された<神の聖騎士>4人が聖メレディーツ女学園に入学した最初の一週間、水曜日の午後21:30、夜:


ゼンダルタ王城の謁見の間にて:


「じゃ、本当にルー....えっと、早山隊長達があの神滅鬼の大群を撃退できたんですね、女王ー?」

「うむ。そうみたいじゃよ。30分前、小クリスタルと通信系の現神術カレバスを併用して妾に伝えてきたんじゃった。 まあ、妾の娘も部隊に所属し、彼らと同行していったから、階級の高い神滅鬼でも現れない限り、心配は無用とも思っておったがな....」

僕の問いに対してそう答えたネネサ女王。よかった!無事でなによりだな、我が親友ーー!後、森川さんもお姫さんも。そして、あの2刀と鎖の緑髪少女。えっと、確かに小クリスタルは一方通信のみで、送信する側は受信側に顔を写したまま何かを伝えたり、放送用でよく使われるが、受信側は返信できないので、2方通信可能な現神術カレバスも併用してお互いの顔を見ながら会話したんだな。


「エレン姫がいましたから、問題ないとお考えているようですけど、どこまでの階級に分類された神滅鬼に対処できますでしょうか?」

「ああ.....多分、5番目強いと言われてるカーシム級が出ても、本気を出せばなんとかなるかもしれんじゃよー。」

有栖川の問いにそう返事した女王だったが、またも追求するように、

「では、4番目以上だったらどうします?」


「その場合は賢いエレンのことじゃろうし、きっと早山隊長に撤退するよう提案するんじゃよー。それに対処可能な、ローズバーグ会長の率いる第1学女鬼殺隊か第2を派遣するよう、伝えに戻ってくるじゃろうよー。」

ふむ。そんなに簡単なことだろうかー?エレン姫は責任感が強いみたいだし、町が破壊されたらたとえ第1が来ても意味ないんじゃないー?確かにさっき聞いた限り、住民は無事に隣町へ避難できたけど、果たしてエレン姫とルーのやつが敵前逃亡するような臆病者かーー?

「なるほどね、それなら納得できますね。では、春介君?これで安心できますねー?私達の仲間に万が一も起こらないでしょう。」

「でも、そんな確証はどこにもないじゃないかー!?大体、エレン姫が自国の町が目の前で破壊されるのを見て引けるような無責任な人とでもー」

「思いますよー!そうでしょう、ロザさん、エリーゼさん?」


「はい、殿下なら、民の命さえ安全であれば、それで良しとするでしょう。」

「なにせ~~「町とか領土より、大事なのは民そのものですわー!」といっちゃうような~~~エレンっち~~ですしね~~~。」

「では、それなら、納得できるでしょう、春介君ー?」

「ううぅぅ......。」

まあ、確かにそうだろうな。今考えれば、優しいお姫様のことなんだから、物より人の命を第一に優先するだろう。なので、ルーと他の隊員が不利な戦況であれば、よほどのことでもない起きない限り、きっと撤退するようルーに勧めるだろうね。

「まあ、そんな可能性の話を考えていてもしょうがないじゃろう、春介よー?現に今は撃退できたんじゃから、明日彼らと会ったら、お祝いしてやれば喜んでくれるかもよー。」

それもそうかー。女王の言うとおりだわ!


「では、その第4学女鬼殺隊だけど、明日は学校があるのに今夜をあそこで泊まってもいいでしょうかー?」

「大丈夫よ。地下基地には町とここを瞬間移動できるような柱がおる。そこを通れば、翌朝は間にあって登校できるんじゃよ。」

有栖川の疑問にそう返事した女王だったけど、ふと思い出したことがある!

「その初陣の勝利にあそこでお祝いのつもりで一夜だけ滞在するらしいけど、本当にあそこは温泉町で露天風呂がありますか?」

「うむ。今頃、きっと楽しんでもらってるじゃろうな、我が国一の温泉地をー。」

なにそれーー。羨ましいぞ、ルーよー!まさかとは思うけど、あんたは隊員の女子3人と一緒の風呂に入らないだろうな!畜生ー、このハーレム王野郎が!考えれば考えるほどなんか損した気になってるよね? 僕もいつか自分の隊員とあそこでお風呂に入りたいなぁ....なんてね。いかん!あそこで怖い顔になっていらっしゃる、<僕だけの女王様>である有栖川が睨んでくるし、きっと僕があられもない裸姿の彼女たちを想像してる最中と思われてるんだろうー。そんなことしねよー!さすがの僕でも親友の女たち、えっと...女性の仲間3人に対して、おかずにするような節操なしな変態じゃないよ!一応、僕はあのぶっりっ子であるエリーゼ先輩がいるじゃんか!ロザも。後、あんたは恋愛対象としてお断りだが、異性の親友ならありぞ、有栖川よ。


「じゃ、夜も遅くなるばかりじゃし、学生でもおる御主たちは早おう寮に帰った方がいいぞいー?明日、授業があるからのうーーほほほうう~~。」

しゅしゅと手を振りながら僕たちを謁見の間から追い払った女王。

僕たちって犬かよーー!

と声を上げてつっこんでみたくなるがぐっと堪えた。

あんなふざけた態度でも一応は一国の女王様だしなーー。お姫様のお母さんって以外とお茶めけで親しみやすいというか、親父ギャグが通じそうな雰囲気も纏うんだよね。


1時間後、聖メレディーツ女学園の学生寮にて、エリーゼの部屋:


「誰にも見つからなかったわよね、春介?」

「ええ、そうだったみたい。」

そう。人通りが少なくなったのを見計らってから、向こう側の廊下にある先輩の部屋に忍び込んだ僕である。人が通らなかったのを見て、神使力を瞬発力に換えて、猛ダシュでここへと入ってきた。

「例の誓約について、呼び出したんだよね?」

「そうだわ。じゃ、あたくしの身体に手を這いまわしてみて~~みて~~。ふふっ...。」

そう。僕は今、前に交わした約束みたいなもので、先輩の堪能小説のコツになれるように、実際に女体を触りまくって感度とか漏れる声とかがどんな風にリアルで表現できるのか、頼まれたんだ。でも、いきなりこんなことするのって、ハードル高すぎないー?僕、童貞だしー。


「うううぅぅぅ.......。」

先輩から目をそらして、蒸気した頭のままで恥ずかしがっていると、ベッドに腰を下ろした先輩はあろうことか、近づいてきて僕の右手を握ってきて自分の胸へと触らせたぞー!?

「あうう~~。いい!この感触、あああん~~♥️すごいのぉ~~~。」

「先輩、僕の手ーー勝手にそんなんで使わないでよー!君のためにずっとキープしてきた手じゃないよー!」

「ぁああぁん~~♥️これぇ、気持ちいいのぉ~~。」

って、もう聞いてないからーー。このエッチなぶりっ子めー。僕の手を動かして自分の胸のあっちこっちへと這い回らせやがったー。いつのまにエッチな玩具になってんの、手がー!?

「ぁぁああんんん~~~♥️ いいよ、これぇぇ~~!」

うおおおーー!!先輩、僕の手を使って自分の乳房を揉ませてるよー? めっちゃ蕩ける顔を浮かべ始めたぞ!?

「ひゃうーん!んんんふうぅ~。ぁああん~♥️。ここいいの~~。はああぁん~♥️」

唾液を垂らし始める先輩は恍惚とした表情になり、乳房の中心にある突起物を僕の手を使ってこりこりしてるよー!?

「いいぃよぉぉ~~、これー!すごく敏感で感触良好なの~~!もっと~~♥️もっろしてえぇぇ~~♥️」


おい、おい、胸だけでそんなに感じるとか、どれだけ敏感体質なんだよ、君はー!?


で、五分後、手と胸の愛撫で派手に昇天しちゃったエリーゼ先輩は僕の手を放して、乱れた服装と整えてウインク一つして、こういう:

「ありがとう、春介~~。気持ちよかったよー。」

「...........あははは........それはどうもっす。」

乾いた笑い声でそう返事したが、もう何が何だか訳わかんなくなっちゃったよー!大体さー君はよかったかもしれないけど、僕は君のあんな表情と艶かしい声を聞かされて我慢しなきゃいけなかったんだぞーー!?僕の方だけ損してないか、それー!というか、それだけなら、自分の手でしろよーー!まあ、誓約を交わしたから仕方ないけどね。だって、あの時はそうしなかったら、大声を上げられて痴漢しようと嘘をつかれるし、マジで理不尽なんだよなぁーー。


「お陰で、なんか執筆に関する意欲と閃きが掴めたような気がしたわー!頭の中に今は次々と新たな発想と感覚が浮かび上がるようになったの。」

まあ、先輩も真剣に堪能小説を書こうとしてるし、取材と参考資料のために僕を巻き込んでもいいかなーー。だって、人助けは気分のいいものだし、仲間のためならいくらでも手伝ってあげられるよ。

「じゃ、あたくしは今すぐに執筆作業を始めたいので、出ていってくれるーー?」


バタン!

先輩にそう言われて部屋を追い出された僕。まったく!利用するだけ利用して、使い果たしたら、褒賞とご褒美ももらえずに追い払うとか、めっちゃ酷くねー?

まあ、いいかー。

今夜は一人の自室で< それをおかずに使ってすっきりしよう、はい! >。


____________________


その夜、同時刻のフォルールナ王都にある、聖メレディーツ女学園の寮より600メトール西、一軒家の屋根にて:


「あははは......これで我が組織、<新天地の繁栄を齎す革命軍>が新たな世界を築くのに大進歩を踏み出せたなーほほほーー。」

その屋根には全身を真っ黒なローブを着ている、女性の体格をしてる者が立っているのだ。顔は仮面によって隠されていて、頭の方もローブの布によって覆われている。まるで、隠密行動でもしている最中の格好をしているようだ。

「それはどういうことか、説明をお願いできますかー?」

「-!! 誰だー!!?そこかーー!」

いきなり、影の中から見えぬ人から声をかけられてびっくとしたが、直ぐに取り直して声のした方向へ向かって、2本のナイフを隣の2階立ての家の2階の角の方に投擲したー!


ヒュウーーン!ヒュウーーン!

そのナイフには神使力が纏われていて、おそらく一種の<現神戦武装>のようである。

なぜなら、神使力を通されたり、纏われたりして材料損害と破壊を被らない物は<現神戦武装>のみ。だから、戦闘可能な神使力を有しない男性と一般の人間同士の戦争とか紛争によく使われる一般的な武器をヴァルキューロアが使わないのである。使っても所有者の神使力に絶えられずに崩れたり使い物にならなくなるから。それに、神滅鬼も神使力の纏われない攻撃や現神術以外の攻撃には通用しないので、一般の武器を使ってあの怪物どもと戦う気地外はこの世界<リルナ>において、今まで一人もいなかったのである。


カーン!カーン!

金属製の何かに弾けられたか、投擲されたその2本のナイフは跳ね返って中に何回も旋回し、投げ出した本人の方向に向かって飛んでいくー!

「ふーーん!<指向性激風発生(アルートス)>」

それを風撃系の現神術、<指向性激風発生(アルートス)>で町並みから遠くの空の彼方へと弾いたローブ姿の不審者である。

「そこにいるの知ってるぞー!出て来いーー!」


「.........やれやれですね。こんな夜遅くの街中に、何をこそこそやっているのかしらね......。気になって近くに潜んで観察させてもらいましたけど、やっぱり、貴女はこの王国だけじゃなくて、私たちの敵となり得る人物とみて間違いなさそうですねー。」

ドーーッ!

そう。今、あそこの2階の隣の家からこっちの屋根へと跳躍し着地したその謎の者はその不審者の目の前に、頭上の月光に輪郭を照らされて姿を現した!

丈の短い黒いワンピースを着ていて、黒タイツを履いている一人の少女が右手に日本刀の形をしている紅色の長い刀を持っていて、黒髪ロングを風に靡かされている。


「この王都で何をしていたのか、大人しく投降して、町の<治安管理局バルサラ>の本部へついて来てもらいますよー。従わない場合、力づくで連行していきますので。」

そう。今、不審者と対峙しているのは、他でもなく、地球から召喚された<神の聖騎士>の女性陣が一人、有栖川姫子なのである。


________________________________________
























  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る