第二話 春介遼二サイド:誓約

ま........まさかエリーゼがあんなことをこんなところでやってるだなんて............

かなり仰天してるな、僕。よく見てみれば、彼女は清潔感の高い洗面所がいくつかあるそこの長ーーい豪華な作りの台の上に腰を降ろしながら、その胸元の上半が開いてる制服の下の部分、つまり女体の二つの柔らかい膨らみによくある桃色な突起のあるところに、左手を置いて、こねくり回したぞ。


「..........んん........ああぁぁんん~!ぁあんー♥️!これぇぇ~~!すごくいいの~~♥️!もっとっ~~!もっといじって~~~~~♥️!」


おいおいおい、これってマジなのかよーー!?夢か何かじゃないよねー?ねー?

と、そんなことを考えながら、どうしようかと慌てて対策を考案中に、

ゴドンーー!

しまった!

しゃがみこんで下の隙間から外の様子を絶賛覗き見してる最中に、なんと運の悪いことに、右足が個室の右側の壁にぶつかってしまったんだ!


「--!!--誰ーーー!!?」

終わった。これ。やっぱ、終わったよね、僕?

だって、見つかっちゃったんだもん!

トイレの中に、女の子があれをしてるとこを覗き見してしまったんだもん!

ん?でも、待てよ?確かに、学園長.....名前はなんだっけ?忘れたけど、彼女ともう一人の権力者であるローズバーグ生徒会長の下した新しい学則にて、<緊急時でなければ、女子生徒はトイレへの立ち入りを禁ずる>とかじゃなかったっけ?だって、もしお花を摘みに行きたいなら、<廃棄物消滅ネスガルという現神術を保険医の先生なりそれが使える同級生に頼んでかけてもらうことで解決できる問題だったはず。なので、なんでエリーゼが入ってくるんだよーー!?しかも、明らかにおトイレしにきたわけじゃないし、どう見ても..........。というか、彼女って確かに一年生なんだっけ?王城に着いた初日の饗宴場でそう自己紹介したし。


なので、なんで一年生であるエリーゼが本来、通うことになっている一年生が全員集うこの<グラン>棟じゃなくて、ここの2年生のクラスばかりがある本棟<ニラ>のトイレにやってきたんだよーーー!!?

「誰!直ぐにそこから出てきてー!もう位置が分かってるから3まで数えても出てこなっかたら、<紅玉灼熱融解エンゲラーム>にて、そのドアと中の人ごととかしてやるわーー!」

やべえーー!こいつマジだな、おい!僕がここから動かなかったら、確実に殺られるーー!!


そう観念した僕は静かに溜息をついてから、ドアを開けてエリーゼの前まで歩いていく。

「出てきたよ、エリーゼさん。」

この一週間で彼女と何度も話してきたから、ぶっり子な態度でありながらもよく有栖川のいない隙をついて僕に懐いてきたので、もう敬語を使わなくてもいい関係にある。もちろん、僕の好みの子はお淑やかで、癖のない清純派な美少女だけど、こんなあざとい系はちょっと苦手なんだよなーー。

「最初から、あんただと分かったわーー。ふっふっふっ.....あははははーー!!!!」

急に両手でお腹を押さえて笑い出した彼女だけど、いきなりどうしたのYO?お嬢さんよー?

「おい、おい、おい、脅迫されたから出てきちゃったのに、何がそんなに可笑しいのさーー?」

「だって、だって、可笑しいったらないわーー!?ふっふっ......あはははっー!!」

「ね、エリーゼさん。もういいよー!出てきちゃったから、さっきの........あれ.....説明してもらえるのか....?」

そう促してみるけど、ん?というか、彼女、そのよく聞いてきた、歌ってるかのような抑揚の激しい口調ってどこにいってたのーー?

「うふふ.......いいよ。他でもない、<神の聖騎士>であるあんたのご要望なのだからね~~。それに、さっき可笑しかったのは、まさかこのあたくし、オスハイート家の一人娘である、エリーゼ・フォン・オスハイートが世界の救世主たるあんたに向かって、<紅玉灼熱融解エンゲラーム>を打ち出していく訳ないじゃない~~?おバカさん~~~🎵」

そう茶目っ気に言ったエリーは一指し指を目に向けて、可愛くウインクと微笑んでから、その指を僕の鼻の小付いてきたー!もう~~~!僕は子供じゃないってのーー。


「だから、そんな事はもうどうでもいいから、先ずは質問に答えて下さいよーー!なんでここで、<あんな行為>に及んだ?後、その右手のマイク....もとい、拡声器ってなんの原理でできて、なんで君が持っているとか、なんで一年生のはずの君がここ2年生の通う本棟<ニラ>に設置されてるトイレにわざわざ遠いところにまで足を運んで入ってくるのか、後、なんでいつもと口調が違うのかこれ全部説明してもらえる、エリーゼさん?」

と、矢継ぎ早のごとく質問の嵐を彼女に浴びせてみると、

「あんたってさーー。名探偵か王国の人民保安官か尋問官にでもなりたいっていうのーー?」

真面目な顔になられて呆れられた!

しゅんー!

やっぱ、あれはないよねーー?気持ち悪がられてもしょうがないほどにアホだったな、その訪ね方は..........。


「じゃあ、どこから話してくか、まあよく聞いておけよ、異世界からやってきたイケメン少年さん~~~~🎵この公爵家の令嬢兼、絶世な美少女であるこのあたくし、エリーゼ姉さんがお・し・え・て・あげるね~~~~♥️」

小柄であるのにも関わらず、それなりにお胸もある彼女はそれを下から両手で持ちあげては寄せてを繰り返した!やばええーぞ、この女ー!?あざといというか、これってマジでお色気たっぷりな年上キャラじゃんーー!ん?待てよーー~?エリーゼは確かに、僕たち8人の中から唯一の一年生で、後輩に当たる女子だよねーーー!!?ではなんだこれはーー!?この自信たっぷりな妖艶な微笑、その一つ一つの優雅だけど艶美さも感じさせるような悩ましい仕草と動作とか。

まさかとは思うけど、彼女は実は一番年上なのかよーーー!??


「じゃ、話すわね。あたくし、エリーゼ・フォン・オスハイートはオスハイート公爵の一人娘で、社交界でも指折りの権力家の一員であるのよね。で、その所為で、こっちに寄せられてる期待と希望といったら、それはもうめっちゃくっちゃでさーー!やっぱ、ああいうの超嫌いなのよね~~。」

「だから、その........精神ケアを維持するのに敢えてあんな子供っぽくて、それでいてあざとい口調や言動を仮面代わりに取るようになったんだよねーー?」

「ご名答!さすがは異世界から召喚された<神の聖騎士>様の一人なのよね~~~~🎵呑み込みが早いだけじゃなくて、察しも良くて、お姉さん惚れちゃうかも~~~♥️」

そう褒めた彼女はその台から軽く飛び降りてから、茶髪の三つ編みを揺らしながらセクシな踊りを短く全開にしてから、僕の前まで近づいて、愛らしく笑みを浮かべて手を胸板においてきたーー!くすぐったいーー!うううぅぅぅ........手の感触はなんか気持ちよく感じて、徐徐に顔が熱くなってくるのをはっきりと感じたなあ.........。


「そう。ストレスで身が持たなくて~~。小さい頃からエレン姫殿下の護衛としてだけじゃなくて、幼馴染と親友もやってきたから、殿下とだけなら、なんでも上手くいって楽しい時間もいっぱい過ごしてきたから、それについては殿下にはとても感謝してるし、尊敬の念だけじゃなくて、個人的にも憧れるような立派な女性とも思うわね。しかし、問題は..........。」

「やっぱり、自分の実家とそれに関係してる当主であるご両親なんだよねーー?」

「正解。あたくしのお母さんとお父さんと聞いたら、もうーー!しつこいまでに何でもかんでもやらせようとするし、うざいとも思うわーー!あたくしは大好きなエレン殿下のためなら、現神術の習得と訓練だけじゃなくてなんでも出来ちゃうような気がするけど、両親がすべての事柄についてあたくしに押し付け過ぎたり、なんでもかんでも背負わせようとし過ぎなのよーーー~!!もうやってられないったらないわーーー!」

やっぱ、そんな事情があるかと思ってたよ!ただのぶりっ子じゃなくて、そんな複雑な内面も抱えてるんだなー。

ああーー!それでーー!

「..........だから、両親への反発意思の表現として、授業や進級するのに必要な単位獲得である試験も真面目にやらずにそれで留年してきたんだね、2回も........。」

「ぴんぽんぴんぽん~~~~~🎵大正解なのよ~~~~ん、あたくしのナ・イ・ト・様~~~~~♥️」

今度はクネクネしながら俺に身体の全身を預けてくるー!やべえーー!なんか可愛く見えてきて、ドキドキが止まらないよーー!いい匂いがするし、感触も柔らかくて気持ちいいし、なんかこのまま抱き締めたくなるほどたまらん衝動に駆られるな!って、いかん、出会った1週間ばかりだし、そんなことしたら、きっとセクハラ扱いになるーー!やっぱり、ことスキンシップにおいて、女からやってきたらOKのようだけど、男がやっちゃったら駄目という風潮が前の世界、日本にいた頃から強く意識に植えつけられちゃってるから、こんな場面でも条件反射的にそれで思い留まっちゃうんだよねーー!


「なので、あたくしはあんた達より年上なのはもう明白なのよねーー?本来なら今年で3年生なのよ、あたくしが.........。」

何年も留年してきたとか、マジで苦労してるなあー君の人生って。

「それはそうだとしても、何でわざわざここの2年生の通う本棟にまでやってきて、<あれ>をしちゃうとするんだよ!自分の棟のお手洗いでやっちゃえばいいじゃん?もしかして、僕がここに入ってくるのを期待して、それで誘ってるのか?」

誰もが思いついた結論を口にしたら、

「ん?<あれ>ってどういう意味でさっきのあたくしの行動について解釈してたのか分からなかったけど、少なくとも、あんたの思うような卑猥さのある妄想では決してないわ!」

ん?どういうことだ?

「あたくしはねえ..........ただ知りたかったなのよね~~~。どうやったら、上手く<堪能小説>が書けるのかってだけ。」

ほう。ようやく本筋が見えてきたな。やっぱり、良家のお嬢さんなんだから、明確な目標があってこその奇怪かつ軽妙な行動をとるもんだな。


「だから、お願い、春介くん~~~~♥️ <終わりの饗宴>も刻一刻と迫って来るし、最後の戦いの前に早く一つの作品だけ書き切りたいのーー! なので、あたくしの専属モデル兼参考資料になると誓ってくれない~~~~~?」

と、そんな爆弾宣言と共に僕に全身をくっついてきて、可愛くおねだりしてくきた!やばいーー!この柔らかい二つの弾力感いっぱいな物体はーー!??女子にこんなに触れられて初めてだよーー!! 有栖川だって、こんなにお胸を僕の身体に密着してくるなかったし、初体験すぎなんだよ! こんな魅力的な肢体で責められる僕は鼓動が早くなるのを感じて、血流が二箇所にまで集まっていくのを強く実感してきた。やばい、このままじゃ立ってきちゃいそう! いかん、南無南無、念仏を唱えて煩悩を振り払えーーえいーー! でも、やっぱ難しい!エリーゼのやつ、またすりすりと身体を揺すってくるから、それで、その柔軟性のたっぷりなぽよんぽよんも僕のハートを射抜いちゃいにきて辛いよーー! 鼻血が出ちゃいそう頭も熱くなってきちゃったし、こりゃーー。きゃきゃうふふふ..........僕にも春が来たーー?有栖川みたいな支配系な女王様じゃなくて、こんなあざとい子の方が10倍もましだと思うんだが.........どうする、僕??


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<グラン>棟

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