寂寞感の中に詰めこまれた言葉の美しさ

ルビの振り方がまず秀逸で、世界観の表し方がとてもお上手。
寂しさのある一人称で紡がれる退廃的な空気は、読者を引きずり込みます。
SFといっても難しくなく、さりげないオリジナリティが組み込まれているので
非常に読みやすいものになっていると思えました。

最初の一文と最後の一文、その対比がまたあっぱれ!
硬質的な文から始まりつつ、ラスト一文で空気がふわりと変わります。
そこにある情緒は素晴らしいの一言。

ぜひ、この作品からSFに入ってみませんか?

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