第774話 海水浴開始
☆夕也視点☆
奈央ちゃんの別荘に到着した俺達は、部屋に荷物を置いてしばし休憩タイムとなっている。
あと少ししたらビーチへ向かうとの事なので、広間に集まって談笑を続けていた。
「皆、今日はビーチで何やらビーチフラッグのイベントがあるみたいよ」
と、奈央ちゃんが急にそんな事を言い出した。
ビーチフラッグとは砂浜に1本のフラッグを立て、離れた場所で反対を向きうつ伏せの状態で待機し、スタートの合図で振り向いて1本の旗をめがけて複数人で猛ダッシュして奪い合うスポーツだ。
「ほぉ、それがどうかしたのか?」
「もちろん私達も参加しようと思うんだけど、参加したい人はいる?」
奈央ちゃんは参加するという方向らしく、亜美に対して「勿論亜美ちゃんは出てね」と圧をかけていた。
奈央ちゃんにとって亜美はあらゆることにおいての永遠のライバルだからな。 他にも足自慢の俺や宏太、奈々美、紗希ちゃん、遥ちゃん、麻美ちゃん、渚ちゃんがエントリーすることになった。
時間は昼の13時からエントリー開始、14時スタートの予定だ。
「よし、それではビーチの方へ行きましょうか。 男子は荷物持ってねー」
「はいよ」
「了解」
レジャーシートやパラソル、クーラーボックスやバーベキューのセットなどの荷物を持って別荘を出る。
奈央ちゃんが持っているのは女子に用意したという水着だろう。 それを見るのも楽しみの一つだな。
◆◇◆◇◆◇
てなわけで男3人は先に着替えて場所取りをし、レジャーシートやパラソルを立てる。
近くには西條家御一行様と書かれたバーべーキュー場もある。 どうやらバーベキュー場は予約制らしい。 上手く近くに陣取れてよかった。
「あとは姫君たちを待つのみだな」
「ですね」
そろそろ来ても良いと思うのだが。
人が多くて見つけられないのだろうか? 迎えに行った方が……などと考えていると、遠くから集団で歩いてくる女子達を見つけた。
「なはは! いたぞー!」
「あら良いとこに陣取りましたわね。 バーベキュー場の近くじゃない」
「おお、ここでバーベキューすんのかー」
続々とやって来てパラソルの下に集結する皆。 さすがに11人用ともなるとかなりの範囲を占有しているな……。
「さ、お昼まではとりあえず自由に海で遊びましょ」
「りょ!」
と、ここで俺的水着評論タイムだ。
まずは亜美からだな。
「どうしたの夕ちゃん?」
「ん、まあちょっとな」
亜美は今回は珍しくパレオを巻いての登場。 花柄の可愛い水着だな。 相変わらず出るとこは出て締まるとこは締まるという素晴らしい体型だ。
「夕也、目がエロイわよ」
「うるせーなぁ」
次に奈々美だ。 こいつは亜美と同じデザインのパレオを巻いているが色が違いくろがメインの水着だ。 亜美より身長も高いしグラマーな体型だ。 何ともエロイ。
「はぅ」
次は希望だ。 こちらもオレンジメインのパレオでの登場、上にも薄手の上着を羽織っている。
周りの皆が異様にナイスバディなせいでわかりにくいが、希望も十分女性らしい体型をしている。
「準備体操はちゃんとするんですのよー」
今回の水着を用意した奈央ちゃんは可愛らしい白のワンピース水着だ。 見た目には普段着と変わらないようにも見えるがれっきとした水着である。
体型は……まあ、高校時代から変わらずである。
「めんどくさいわねー」
さてさて紗希ちゃんはというと、これでもかというほどに露出の多めなレースの水着だ。 これは世の男性が全員振り向くのではないだろうかというレベルだ。 エロイ!
「きゃはは、今井君何見惚れてんのー?」
「いや、まあ」
否定できない辺りが紗希ちゃんの水着姿の凄さを物語っているな。
「体操は大事だぞ紗希。 バレーだってウォームアップは大事だろ?」
遥ちゃんは今回はビキニだ。 あまりそういう露出多めな水着は好まないと思っていたが最近はそうでもないらしい。 高身長でプロポーションも決して悪くない。 モデルかと見間違うほどだな。
「なははは! いっちにっ! さんしー!」
元気に体操をしているのは麻美ちゃん。 麻美ちゃんも今回はビキニで参戦、 今回のヒモパン枠のようだ。 可愛らしいデザインの白がメインの水着だな。
「泳ぐでー」
最後は渚ちゃん。 こちらは奈央ちゃんと似たようなタイプのワンピース水着だ。 こちらも可愛らしい水着だな。
とういうわけで水着評論タイム終わり。
「よしー! 体操終わったー! 夕也兄ぃイクゾー!」
ガシッ!
一仕事終えて油断していたところで麻美ちゃんに手を掴まれてもの凄い勢いで引っ張られてしまう。
「あ、こら麻美!」
「あはははー! あははは!」
そのまま猛ダッシュで波打ち際まで引っ張られてしまうのだった。
すぐに皆も追いかけてきて早速皆で海へと突っ込んでいく。 皆元気だな。 春人なんて既にパラソルの下で寝転んでるぞ。 あいつ何をしに来たんだ?
「夕也兄ぃも遊べー!」
「うぉっ?!」
麻美ちゃんに更に手を引っ張られて、女の子とは思えないほどの力で俺を海へと投げ飛ばされる。
「うわわ、夕ちゃんが飛んだよ!」
「はぅ、凄い力」
「さっすが奈々美の妹ねー」
「私は関係ないでしょ」
ちょっとは俺の心配をしてくれてもいいのではないだろうかと思うが、ここは言っても仕方ないので普通に立ち上がって何事も無かったかのように浜へと上がる。 麻美ちゃんといると体がいくつあっても足りないぞこれ。
その後は皆ある程度固まって海で遊び始める。 たまに知らない男が声を掛けに来たりするようだが奈々美と遥ちゃんがそのたびに追い払っていた。 何とも頼もしい奴らである。
「しかしまあ、絶景だな夕也よ。 特に見てみろよ神崎を。 ありゃもう兵器だぜ」
「あぁ。 あれはやばい」
何処を見てやばいかは言わないがとにかくやばい。 ちょっとジャンプしたりするたびにもの凄く揺れている。 亜美や奈々美も十分凄いのにそれすらも霞むとは。
「こら、あんた達どこ見てんのよ」
紗希ちゃんを見ていると後ろから奈々美に膝カックンを喰らいこけそうになる。 こいついつの間に背後に。
「きゃはは、奈々美ーそりゃ仕方ないって。 何せ私が水着着てんのよー? もう視線釘付けっしょ」
「はいはい。 視線切るために海にでも浸かってなさい」
「押すなー」
嫌がる紗希ちゃんをがっしり掴んで海の方へと押していく奈々美。 力士かよ……。
「皆楽しそうだねぇ」
「まあ海は久しぶりだからな」
隣にやって来た亜美は、海で遊ぶ皆を見て笑顔で話す。 亜美は亜美で既に一泳ぎしてきたらしい、海に来てガチで泳ぐってなんだよって感じだが。 他の皆もそれぞれ思い思いに遊び始めている。 奈々美、麻美ちゃん、紗希ちゃんはゴムボートを借りてきて乗って遊び始めた。
麻美ちゃんがやって来て「夕也兄ぃはエンジンだー! 押せー!」と言いながらまたもや海に引っ張り込まれ、ゴムボートを押す係に任命されてしまった。
「あはは! イケー」
「夕也頑張んなさいよー」
「きゃははー押せ押せー」
これじゃあまるで馬車馬だ。 だがまあしかし、皆が喜んでるしこれぐらいならお安い御用というものである。 バーベキューの時間まで俺も目一杯楽しむとしよう。
それにこの位置からの景色、中々目の保養になるしな。
「どこ見てんのよあんた」
ゲシゲシ……
しっかり奈々美に制裁されるのだった。
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