episode.『07月30日(金)』



年上の人と話すのも


年下の人と話すのも


問題はないのに


同年代の人となると


話しかけられない限り


答えることができない


年上には甘えて


年下にはかっこつけて


同年代には見栄を張る


だから誰とも仲良くできない


必然と一人ぼっちになる


もっと積極的に素直に


それが一番苦手で


それが一番難しい



      ※



午前0時


寝付けなくて散歩に出た夜


学校に侵入して


そのまま通り過ぎて


丘の上にある公園に向かった


そこは小学6年生の冬


卒業間近の季節


友達と手を繋いで滑った


トンネルの滑り台がある


そこから海と光る街が見える


私は人知れず叫んだ


彼女を思い


ただ叫んだ


誰にも届かない声だった


寂しい夜だった


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