November

episode.『11月02日(月)/11月07日(土)』



知っている誰かが誰かと楽しそうにしている


それが微笑ましくて


羨ましくて少し嫉妬する


そして途端に寂しくなる


空笑いして気づかないフリ


距離を置いても話しかけてくる


それが余計に切なくて


こんな気持ちになるくらいなら


関わるんじゃなかったと


でも出会えて良かったと


そう繰り返し思っています



      ※


居場所のない子供が


それでも必死に生きてきた


周りの誰もそれを知りはしない


繋ぎ止めていた命には


確かな夢を叶えるために


その子自身が手綱を引いていた


欲しいものがあったから


それが唯一の幸せになるための術だった


けれどもうすぐ、絶望は訪れる


一人きりの彼に誰も気づかず


彼は飛び立つのです



自由という、楽園を求めて――。


この詩にタイトルをつけるなら、私は『少年の死』と名付けよう――。



      ※



私を追い詰めたのは世界だ


周りに恵まれていたのだとしても


結局は皆、離れて行った


残ったのはちっぽけな関係


私は私が輝ける世界で生きたかった


私は贅沢ものだ


それでも自分の感情がわからなくなってまで


偽物の笑顔ばかり浮かべて生きるくらいなら


私は平気で死を選ぶよ


心はとうに死んでいるんだ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る