汚濁

September

episode.『09月02日（水）／09月03日（木）』

好きになったなら嫌いにはなるな

好きなものに背を向けるな

好きだからこそ本気で向き合える

好きから大好きに変われても

嫌いになることだけは許さない

それが好きになった者の責務

裏切るということは信用を絶つこと

掌返しほど醜い者はない

大切なもの故に張り通す

それが私の一途の正体

信念である

　　　　　　※

いつも電話が鳴る度、緊張して震えが止まらない

だから大抵、携帯の電話には出ない

誰からかわかってしまったら、怖気づいてしまう

家電であれば家族宛の誰かだから出れるんだ

自分宛のものは不幸な知らせじゃないかと

怖くて仕方がない

だから自分からもかけられない

たとえ、貴方の声が聞きたくても

　　　　　　※

大きな病院なんて行ったことなくて

骨折とかしたことないから

手術なんて言葉を聞くと

嗚咽しそうになる

たとえそれが簡単なものだとしても

局所麻酔で痛いとか

生まれた頃には失明する目だったとか

そんなこと言われたら

なんて言ったらいいのか

相談もできないのに

抱え込むしかない私にはとても辛い

　　　　　　※

恐怖に慄きながら

たった一人で立ち向かう

それを強いられた世界に生れ落ちてしまった

後にも先にも広がっているのは闇ばかり

少しでも明るくマシな未来へと足を運び

それでも限界は見えてくる

自分一人では絶対にどうすることもできない

そんな壁が

一つの光を失う恐怖

治す術があっても怖いんです

　　　　　　※

手術することになった

でもまだ確定じゃない

1泊入院だから親父にも話さなきゃならなくなった

その返答次第で手術はなしになる

局所麻酔の目の手術

それに対する恐怖

それと同等の父に対する恐怖

気に食わないことには文句を並べ立てられ

その罵声と怒鳴り声に何も言えず屈服する

結局恐怖しかないのだ