episode.『02月20日(水)』
中学の頃まで身長が低かったあの子。
高校卒業間近になって出会う彼らは私よりも大きくて。
気にする自分の小ささを垣間見た。
だから、体の小ささは器の大きさで埋めて、手の冷たさを心の温もりで補おうと思った。
年を取るにつれ増えていく皺は、長く生きた証。
その数だけ幸せであろうと思えた――。
※
50段もない階段の上、田舎特有の川の景色と小さな橋。
子供の頃よく遊んだ公園と6年前に新設され通っていた小中一貫校の学園。
梅の木に桜の木。青空の下、自分の家も見える。
心地良い風に包まれながら、町を見渡す。
年に3回ほど訪れるこの瞬間が、嫌いじゃない。
誰よりも、自由であれるから――。
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