episode.『02月12日(火)』



2度目の闇夜を歩いた今日。


満点に広がる星空を一人眺めながら帰る。


それが何とも愛おしく思えていたのに、今日はなんだか孤独に押し潰されそうで。


誰かが傍にいてくれたらなと、今にも消えそうに呟いていた。


もう、この孤独に勝てる気がしないよ。


明日になれば、何かが変わっているのかな……?



      ※



お金もないのに、財布を持っても意味がない。


掛ける相手がいないのなら、携帯なんて持つ必要はない。


腹を割って話せないのなら、それは友じゃない。


取り繕った笑みで気を遣うのなら、そんなの家族じゃない。


心に支えがないのなら、それはもう人じゃない。


私はそうやって今を無欲に生きています。



      ※



何も知らない人が憶測と偏見を並べるのは滑稽。


何も理解していない人がわかった気でいるのは腹が立つ。


あなたは私の何を知っていると言うの?


何も知らないでしょう。


生きる事が苦しくて仕方がない。


生きたいと思えた事が一度もない。


死にたいと思えるのは至極当然。


幸せなんて、どこにもない。



      ※



誰かを頼ることができたなら、どれだけ幸せなのだろう。


誰かに助けを求めたら、誰かが助けてくれるのかな?


私の胸の中には、何かに縋りたい思いでいっぱいです。


あなたに好きっていいたい。


でも、ずっと一緒にいられる保証なんて、どこにもない。


だから私はやっぱり、一人孤独でいるしかない――。



      ※



皆、誰かに支えられて生きている。


でも私には、誰もいない。


家族、友達、恋人。


支えなんて、どこにもないよ。


頼れるのは自分だけ。


だから必死に今を生きている。


無欲に、無感に、無関心に。


ただひたすらに感情を殺して、我慢する。


心を擦り減らし、孤独に耐える。


誰にもわからない日々です。



      ※



泣き虫な私が、よくここまで生きたと思う。


いつか壊れるとまで言われていたのに。


だけど今は、無性に消えてしまいそうに思えて仕方がない。


空を見上げる度、もうすぐそっちに行ける気がしてならない。


おかしいな、そっちには誰もいないはずなのに。


愛おしい誰かに、呼ばれている気がするんです。



      ※



私は自分が嫌いで仕方がない。


それじゃいけないから、好きであろうと長所を探す。


けれどやっぱり、こんな自分が嫌になる。


私は強くなんてない。


弱い事を『無』で取り繕って、装っている道化。


だから、いつ消えてしまってもいいように、生きた証を残すのです。


誰かが悲しんでくれる事に期待して。



      ※



生きる事が息苦しいのは、私だけ?


過去に囚われ、孤独に打ちひしがれ。


嫌な事から目を逸らし、立ち去ろうとする。


口数が少ないのは、何を言っても無駄だから。


一人、溜め込んで生きていく事しかできない。


そういう星の下、義務付けられた運命のよう。


どうあがいても、私は一人でしかあれないよ。



      ※



勝手な事を言うのはそっちだろう?


自分勝手な文句ばかり並べて、怒鳴り散らして。


相談したいと思えるわけがない。


死んでしまえばいいのにと、何度も思う。


あいつが消えれば私の自由。


私が死んでも、私は自由。


父親からの呪縛。解放は文字通りの命懸け。


ここには何一つ、家族の幸せなんてない。



      ※



贅沢なんて言わないから、もっと普通の家庭に生まれたかった。


唯一、友人や出逢った人に恵まれたのが幸い。


けれどそれでも、社会の厳しさが私を苦しめる。


物凄く、息苦しい。


嗚咽しそうになるほどに、孤独が私を蝕んでいく。


今にも自分を切り殺したくて、どれだけ楽になれるだろうと夢見ている。



      ※



きっと、私の心が弱かった。


ただそれだけの罵りで、片づけられるのだろう。


皆それは一緒なのだと、わかった風な口ぶりで。


だから私は精一杯、理解してあげようと努力する。


辛い思いをするのは、私だけで十分。


周りには、なるべく笑顔でいてほしい。


そんな些細な願いを持つのは、私だけですか――?


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