episode.『01月14日(月)』



頼りたいけど、頼りたくない。


支えてほしいけど、ほしくない。


会いたいけど、会いたくない。


寂しいのに、一人でいたい。


見つけてほしいのに、ほしくない。


そんな矛盾に囚われてばかり。


死んでしまえば、どれだけ楽になれるだろう。


どれだけ自由になれるだろう。


私は今が苦しくて仕方がないよ。



      ※



逃げ道のない現状。


誰も助けてくれはしない。


死んで名を遺す作家がいるが、その気持ちがよくわかる。


皆が気づいた頃には後の祭り。


大切なモノは失ってから気づく。


私もそう、なるのかな。


日に日に死んでもいいと思ってしまう。


今まで以上に心が擦り減って行くのを感じる。


ほんと、涙が出そう。



      ※



私も生きたいと、心の片隅で思っているのかな。


生きているって楽しい事。


なら、それが苦でしかない私には……。


私は弱い。


どれだけ取り繕っても、どれだけ自分を偽っても、心の底で弱い自分が悲鳴を上げる。


だから今にも泣きそうになる。


息を殺して、歯を食いしばる。


ほんと、嫌になる――。



      ※



私はこの家が大嫌いだ。


否定ばかり、偏屈で頑固な独裁者の父。


雑な母の、親切の押し売り。


生まれてこの方、幸せだと思えるモノが何もない。


助けを求めようにも、複雑な家庭故に理解してもらえるはずもない。


それを証明するには、消える選択肢しかない。


死人の言葉なら、誰だって耳を傾けるから。



      ※



この家に生まれた時点で、私が幸せになれるはずもない。


夢を見れただけで、友達がいるだけでも幸せに思えって事なのかな。


ふざけるな。


平気で家族に手を挙げて、自分の事を棚に上げて、何がお前のためだ。


自分勝手にもほどがある。


開き直って、腐りきった性根。


私はその遺伝に、吐き気がするよ。



      ※



どれだけ幸せな未来を想像しても、覚めれば途端に苦痛の現実に苛まれる。


私が創作しているのもきっと、この現実が嫌だからだ。


そこに自分を重ねて、不毛な時間を過ごす。


夢見心地は良くも、待っているのは助長された孤独。


辛すぎて、本気で何度も思ってしまう。


だからもうすぐ、迎えが来るよ――。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る