episode.『12月30日(日)/12月31日(月)』
親って、どうしてこうも面倒臭い生き物なのだろう。
自分本位の言動で、敷いたレールを走らせる。
反抗的になるのも無理はない。
肯定的に考えられる部分が一つとしてない。
子のためを思っているようで何も見てはいない。
だから取り繕った笑みを浮かべて今をやり過ごす。
私の幸せを守るために――。
※
高3の12月下旬、懐かしの人物によく出会う。
皆は私に気づいていないみたいだけど、私はちゃんと気づいていた。
大人になっている一方で、面影がある。
手と手が触れ合っただけでドキリとして、何気ない言葉を交わすだけで暖かい。
私は、皆のことが本当に大好きなのだと、そう思い知らされた――。
※
本音を口にしたところで、誰も真摯に受け止めてはくれない。
皆、たかがそれだけの事と高を括る。
悲しい現実。
そのたかがに、こっちがどれだけ振り回されてるのかも知らずに。
だから抱えて生きていくしかない。
掌返しの激しい世の中、私はとうの昔に見限っているよ。
孤独が私の存在意義だから――。
※
最近、いつにも増して自分が変だと実感する。
無気力に生きている事は変わらない。
けれどよく、空を仰ぎ見たり、他愛もない会話が楽しかったり、些細な事で喜びを感じたり。
まるで、何もかもを諦めているような灰色さ。
より一層、甲斐性なしになった。
優しいとは違う。
これはただの、薄情だよ――。
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