episode.『12月06日(木)』
一人を嫌っていながら、一人になろうとする。
笑っちゃうでしょう?
弱くて寂しい泣き虫で、自分自身にも嘘をつく。
見つけてほしいのに、足跡を消すように遠ざかる。
わざと嫌われるように振舞ってしまう。
だって私は、嫉妬深い、嫌な奴だから。
あなたの傍にいる資格なんてないから。
私はバカだ。
※
私は何度、同じ事を繰り返すのだろう。
結局は裏切られるのに、バカみたいに期待して。
私でさえ、期待にそぐわないと見限ってしまう。
私はあなたが思うほどいい奴じゃない。
簡単に好きになって、嫌いな部分ばかり探す。
私があなたから離れるのは至極当然。
私があなたに相応しくないんですから――。
※
私はあなたが好きなのに、素直じゃない。
口にするのはは簡単です。
でもやっぱり、あなたに迷惑なんじゃないかと思ってしまう。
ただそれだけの事に罪悪感を覚える弱い人。
あなたのその優しさが嬉しいけれど痛くて、傷つける事が怖くて離れてしまう。
私にとって恋をする事は罪でしかないのです――。
※
嘘と真実の戯言ばかり並べる私。
そうやって彼此10年以上が過ぎている。
本音なんて言えるわけがないよ。
腹を割って話せる関係は素敵で憧れるけど、心は閉ざしておかないと。
気を許してしまえば、別れが辛くなってしまう。
傷は最小限な方がいい。
どうせ私は、あなたの前からいなくなるのですから。
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