第十五章:Sudden Impact/01

 第十五章:Sudden Impact



 だが――――そんな強烈な爆炎の中から、スコーピオン・バンディットだけが姿を現していた。

「ちょっ……そんな、まさか!?」

 あの威力なら、確実に仕留められたはずだ。

 そんな確信と、そして確かな手応えを感じていたからこそ、セラは自分の眼を疑っていた。

 だが、スコーピオンは確かに生きている。ひょっとすると、頑丈なコング辺りを盾にして自分だけ生き残ったのか…………。

 何にしても、スコーピオンは生きているのだ。故にその姿を目の当たりにした途端、セラも戒斗も、遥もアンジェも再び臨戦態勢を取っていた。

「……! 来ます!!」

 何かに気付いた遥が警告すると、それと同時にスコーピオンの周りには、何処からか現れた雑兵たちが……数十体のコフィン・バンディットが群がり始めていた。

 灰色のコンバットアーマーにとヘルメットで身を固めた、SF映画の兵士のような見てくれの雑兵たち。一匹一匹は本当に大したことのない連中だが……しかし、数が増えれば増えるだけ厄介な相手だ。

 そのコフィン・バンディットの群れがどこからともなく現れ、スコーピオンの周囲に集まっていく。各々が構えた銃火器を、こちらに向かって構えながら。

「チッ、まだ来るのか……! アンジェ、俺に合わせてくれ!」

「うん、分かった……!」

 舌打ちをしながらレッドアイ大型機関砲を構える戒斗と、一緒になってミラージュカリバーを構えるアンジェ。

 しかし、戒斗がコフィンの大群に対し機銃掃射を仕掛けようとした矢先――――戒斗は、横から飛び込んで来た何者かに蹴っ飛ばされてしまった。

「ぐぁぁぁっ!?」

 不意打ちを喰らい、レッドアイを取り落としながら、戒斗が大きく彼方へと吹っ飛んでいく。

「カイトっ!?」

 そんな戒斗の漏らした苦悶の声に驚き、アンジェが振り向いた。

 すると、そのアイオライトの瞳に映ったのは――――――。

「そんな……だって、あの時倒したはずなのに!?」

「フシュルルル…………」

 吹っ飛ばされて地面に転がる戒斗の、その傍に仁王立ちする――――――草色のバッタ怪人、グラスホッパー・バンディットの姿だった。

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