時を超えたいくつもの愛が織り成す恋物語

 アップルパイを食べようとナイフを入れたら、なんとミートパイだった。

―――何を言っているのかわからない?それはこの作品を読めば自ずとわかることだ。

 まず最初に、私はあずま氏とかねてから交流させて頂いてる身である。以前、この作品のプロット段階を拝見し、あらすじ含め世界観についてお話を伺う機会があった。


 前述のアップルパイについての文句は、このとき「果ての黎明」の構想を身に浴びた瞬間つい口に出てしまったものだ。


 私がこのレビューを書いてる時点では、まだ「果ての黎明」はアップルパイだ。
 若き少年少女が紡ぐラブコメであり、人と妖が心通わすバトルファンタジーでもある。

 しかし、物語が進んでいくに連れてこの作品は文字通り“化けの皮”が剥がれていく。

 これ以上はネタバレになるので伏せるが、「果ての黎明」はラブコメ―――恋物語であり、愛の物語でもある。それは友愛であり、親愛であり、慈愛であり、様々な愛が織り成す歴史の絨毯の上で、彼らは恋をする。
 物語は広がり、やがてそれは神話になる。

 私はこの作品が好きだし、とても魅力的だ。
 なのでぜひともラブコメが好きで、加えて熱血バトルも好きな方は読んでほしい一作です。