義母

「一件落着、ってところかしらね」


「はい。レティさん、ありがとうございました。レティさんが崩壊を食い止めてくれなかったら俺もこの世界も消えてました」


「私は何もしていないわ。チェリーコードちゃんのお手柄よ。これが愛の力ってやつかしら」


「あはは……ところで、レティさんはこれからどうするんですか?」


「うーん、そうね。この世界の真実を知った以上、レテイシア山の頂上で暮らす意味もなくなったし……ここに居候させてもらおうかな」


「別に構いませんよ」


「じゃあ、今日から家族ね。これから私のことはママって呼んで」


「えっ?」


「私はあなたのお母さんの幻影。血の繋がりはなくても私たちは親子なのよ」


「そ、それはそうですけど……ママは勘弁してくれません?」


「ふふっ、好きに呼んで。それから、敬語を使う必要はないわ。私はあなたの母でもあり、あなたから生まれた人間の一人ですもの」


「は、はぁ。じゃあ、改めてよろしく、母さん」

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