第47話 朝の訪問
昨日は今井さんとのこともあり疲れた一日だったなあと思いながらも朝、僕は学校へと向かっていた。
そうそう、あれから僕とアキそして大和さんは普通に雑談をしながら帰宅したわけだけれど、帰り際アキはずっと僕の腕に抱きついたままだった。まあいつも一緒に帰れるわけではないので仕方ないのかなあと僕は思いながらアキに身を任せていた。ただ、そんな僕とアキを大和さんは呆れた目で見ていたが。そんな目に、うん、そう見られても仕方ないよなと僕は思うしかなかったわけで。
それと大和さんは「これからは私も仲間に入れるんですよね? 」と再度、僕に念押ししてきた。僕はアキとともに教室にやって来ることだと考え「アキと一緒に来るんですよね? 問題ないですよ? 」と返事をしたのだった。
ただ、アキはまだ不満な顔を残していた。そんなアキを見てそこまでか? と思わないでもなかった僕。まあ、結局最後はアキも認めてはいたのだが。
僕は学校へ着くといつもどおりクラスメイトと挨拶を交わし自分の席へと座る。今井さんと只野さんは大丈夫かなとちらっと見てみるとふたりとももう来ていて談笑しているようだった。なんというかふたりはやっぱり一緒が合っているよなあと思っているとクラスメイトのざわついた声がチラホラしていた。なんだろう? と思っているとあれ? なんで来てるの? と思い僕はある人の方を見る。そのある人は歩いて僕の席の前に来たと思うといきなり僕の机の上に腰掛ける。おい、なにいきなり腰掛けてんの? と僕は思い
「なにしてんの? 」
と思わず不機嫌そうにある人に声をかける。
「おはよう、近藤くん。早速来たんだけどお邪魔だった? 」
そうある人は大和さんだった。隣のクラスで生徒会副会長でもあるこの人。その人がなぜか僕のところにやってきたということでクラスメイトも何かあったのかとこそこそと話しているようだった。
「いや、お邪魔とかそういうのよりなにいきなり僕の机に座っちゃってんの? 」
そう、いきなり現れなぜか僕の机に座るとか……このひとアキより困ったちゃんな人じゃないの? と思いながら僕が言うと
「だって座るところがないでしょ? 前の席も持ち主がきたら座れなくなっちゃうんだから。それより挨拶がないわよ、近藤くん? 」
とそんな理由を述べながら僕に挨拶がないとまで伝えてきた。なんなんだこの人は……
僕は頭をかき
「はいはい、おはよう。で……なんでひとり? アキと一緒に来るんじゃなかったの? 」
挨拶をしながらもひとりで来た理由を確認する。すると
「別にひとりのときに来てもいいでしょ? 仲間に入れてくれたんだから。私もアキといつも一緒ってわけじゃないわよ? ねっ。仲間なんだ・か・ら」
と大和さんは仲間というのを強調して僕に伝えてくる。うわっ。ひとりでも来るのか? と僕は驚いていた。というかひとりで来ても仕方ないでしょうに。僕とふたりで居ても意味ないだろう。
「いや……さ。僕と大和さんふたりで居ても仕方ないでしょ? 大和さんはアキと一緒に居たいんでしょ? ならわざわざひとりで来る必要ないよ。それに……クラスメイトのざわつきに気付かないの? 生徒会副会長という肩書き? それと大和さん人気あるみたいだね、なんで? って顔してるクラスメイトばかりで目立ってるって。はぁ……ただでさえアキで目立ってたのに大和さんまで」
と僕は頭を抱えこんでしまった。それに対して机に座ったまま降りない大和さんは
「周りを気にしたって仕方ないでしょ? どうせアキとも一緒に来るんだから。それにアキと一緒の行動だけだったら近藤くんのことやえーーと、他にも人が集まるんだよね? その人たちのこと理解するのに遅れを取っちゃうでしょ? 」
と一緒に過ごす人達のひととなりを知ろうとしてやってきたんだと告げてきた。うん、確かにそれは必要なことかもしれないとは思う。けれどさ……
「わかるけどさ……。最初くらいはアキと来るべきじゃない? って思うんだけどなあ。まあまだ僕とアキ、そして真也しかいないから。後で増える可能性はあるよ」
僕はそう伝えると
「アキと一緒に……まあ確かにそうね。でも来ちゃったし。もう気にしない」
となぜか大和さんはある方向を見ながら僕にそう告げてきた。そして小さな声で
「うーーん、あの子達? ふたり一緒に居る」
と僕に尋ねてきた。それを聞いた僕は大和さんが見つめている方向を見ると、今井さんと只野さんふたりのことだった。ってなんでわかるんだ?
「ああ……そうだね。というかよくわかったね」
と僕が大和さんに言うと
「だって、ひとりの子が怖い目をして私を見てくるから。流石にね」
挑発的な笑みを浮かべながら僕に答えてきた大和さんだった。
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