レギュラーでなければサッカー部は3年の6月で引退だけどこれも問題かも

 さて、少し話が戻るがサッカー部の3年の引退に関しての時期。


 俺の引退は6月のサッカーの市の予選試合の時にレギュラーに残れなかった時だった。


 全国中学校サッカー大会、すなわち夏休みの試合に出るやつは8月下旬までなので今田くんはまだ引退じゃないんだけど、俺は結局レギュラーに残れなかったんだな。


「まあ部活の引退が早い方が早く勉強を始められるからいいか」


 そんなことを言っていた俺だが、結果として期末テストの点数が急激に上がった理由の1つにはなったようだ。


 とは言え本来であれば学校側は、スポーツ系の進学をする生徒には三学期まで部活動というかトレーニングを続けられる環境も用意するべきだろうとも思うけど。


 6月や長くても8月に部活を引退して一旦受験に専念するとなると当然その間のトレーニングはおざなりになってしまい、高校に入ってからもう一度トレーニングをやり直すというのは結構きつい。


 野球なんかはリトルリーグで続けるやつもいるから、まだいいだろうけどその他の部活はそんなにちゃんとつづけられる環境は整ってなくてそれは現状サッカーも含まれるんだよね。


「貴方の期末テストの成績が上がったのは部活を引退したからだったのかしらね」


 斎藤さんがそう聞いてきたので俺はうなずいて答えた。


「たしかに放課後の部活でサッカーやってボールを追いかけて走り回ってヘトヘトで、家帰ってから宿題やるのはきつかったし、それがなくなって勉強に集中できたからそれはあるかもね」


 俺はもう体育会系の部活に入るつもりがないからそれはいいが適度な運動はしないとな。


「ある程度体力もあったほうがいいのでしょうけど、勉強に差し支えるというのは本末転倒な気がするわね」


「たしかに俺も今はそう思うよ。

 今なら勉強しながらもテレビ見て休憩できる余裕もあるしね」


 ちなみに6月16日にはTBSの人気番組の8時だヨ!全員集合」が生放送で停電して、放送開始後9分間、会場が真っ暗なまま生中継されたりしている。


 2000年代だと生放送なんて殆どないからそういうことはまず起きないんだけど、生放送のはずなのに地震が起きても出演者も観客も全く驚かなくて生放送じゃないのがばれたりするくらいだ。


 そんなことをしているうちに一学期は終わり夏休みに入った。


 そして7月28日から8月12日までの16日間開催されたロサンゼルスオリンピックにかなり日本は熱狂していた。


 僕は斉藤さんと一緒に午前中は高校受験のためにお互いの家に行ったり、一緒に図書館に行ったりして、いろんな教科を教え合いながら勉強をするようになっていた。


 今も勉強をしてるけど、ちょっと休憩中。


「オリンピックもすごい熱気だよね」


「そうね、でもこんな暑い時期にやらなくてもよいのではないかしら」


「そうだよねぇ……これはアメリカの野球の大リーグや、アメフト、バスケットの試合と重ならないようにするためみたいだよ」


「アメリカでは夏はスポーツがあまりやってないからテレビには美味しいってことかしら?」


「うん、そうみたい」


「なんだかあまりいいこととは思えないわね」


「オリンピックを赤字にしないためにはしょうがないらしいけどね」


 もちろんそれによってマラソンなんかがとても過酷になることは考えてないわけで、水泳やシンクロナイズドスイミングなんかを表に出してくるのも見ているだけで暑い競技より、見ていて涼しいからだと思う。


「期末試験が終われば夏休みだけど今年は勉強をたくさんしないと駄目そうだね」


「全教科満点の成績をとった人にそんなことを言われたら私はどうすればいいのかしら?」


「あ、別に学校の勉強だけじゃないよ。

 ゲームを作るためのプログラムの勉強とかも始めないといけないし」


「それもやらないといけないのかしら」


「いや、斉藤さんは無理してやらなくてもいいと思うよ。

 たとえば斎藤さん、ゲームのシナリオを書いてみたいとか思わない?」


「シナリオっていうのは小説のようなものかしら?」


「うん、全く同じとは言わないけどストーリー的なものを書くのも大事なことだと思う」


「それなら私にもできるかしら」


「たぶんね、アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームを作るなら、たくさん本を読んでる方が有利だと思うんだ」


「それなら私は自信があるわね」


「僕はそれを表示したり動かすシステムを作る方をメインにするけど、自作ゲームで斎藤さんも手伝ってくれれば嬉しいかな」


「それもよさそうね。

 それはともかく高校入試の勉強もやらないと」


「確かにまずは志望校にちゃんと受からないとね。

 そのためにも1年生、2年生の時の授業の総復習もしないとね」


「けっこう大変よね」


「そうだね高校受験対策の参考書の問題を解くのも大事だしね」


 俺たちの志望校の偏差値は60もないから大丈夫だとは思うけどな。


 レベルが高いとこを目指すなら塾の夏期講習の受講も検討するべきだったろうけど、現状なら勉強時間は1日8時間を目標に午前中3時間、午後2時間、夜に3時間くらいやれば宿題も含めて十分なはずだ。


 そして午前中に勉強をして頭が疲れてきたら市民プールへ自転車へでかけて2時間くらい軽く泳いで気分をリフレッシュしたりもする。


「軽く体を動かしたほうが脳の疲れも取れるんだよね」


「そういうものかしら」


「そういうものみたいだよ」


 ああ、ちなみに水着は俺も斎藤さんも学校のスクール水着だよ。


 初年までの夏休みはなんだかんだ部活が中心で、市民プールに遊びに来るにも今田くんと一緒だったのを考えるとなんか随分変わった気がするよ。

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