第16話

僕には、食に関してのポリシーがある。


「食えるだけでもありがたい。腹に入れば皆、同じ」


つまり、見かけは気にしない。

むしろ、奇麗にできていると、逆にもったいなくて、食べられない。


なので、むしろ崩れていたほうがいい。


「こうくん、目玉焼きつくってね。2人分」

「了解」


観念した。


「IHなんだね。みやちゃん」

「うん。ガスは危険なんだって」


文化が進んでいるのか、いないのか・・・


フライパンに、卵を割って入れる。

予想通り、黄身が流れた。


「こうくん、それ失敗」

「どうして?」

「半熟にならない」

「僕は、完熟派だよ」

「それ邪道。目玉焼きの黄身は、半熟なの!」

「いいや。完熟」

「半熟」


言い争いをした。


こんなんことで、喧嘩出来るなんて、平和なのか・・・


で、雛乃さんは見本とばかりに。目玉焼きを作る。

奇麗に出来ている。


でも・・・


「明日からは、半熟だからね」

「拒否権は?」

「ない」


仕方ない。

折れよう。


今日は、どうなるのか、楽しみだ。

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