第3話
「これから、一緒に生活するんだから、こうちゃん」
「ワンスモア?」
「これから、家族になるんだから、こうちゃん。」
時間が流れる・・・
「家族?どうして・・・雛乃さん」
「私の事は、美耶ちゃんって、呼んでね」
「じゃあ、美耶さん・・・」
「さん?」
「美耶ちゃん、家族になるというのは・・・」
鈍いなこの子という顔をしている。雛乃さん。
わからんわい。
「私と君とは、シェアハウスするんだよ」
「どうして?」
「さっきも、言ったけど行き先は、君と同じ」
「どうして?美耶ちゃんに行く必要は・・・」
悪戯っぽく笑う、雛乃さん。
「まさか、2人暮らしと言うことは、ないよね?美耶ちゃん」
「2人だよ。君の家族にも、よろしく頼まれているから」
「聞いてない」
「今、初めて言ったから」
当然のように答える。
「でも、君のご両親は反対するでしょ?美耶ちゃん」
「娘をよろしくって、言ってたよ」
「本当に?」
「うん」
どんな家族なんだ?双方共に・・・
「でも、どうしてこういう事に・・・」
「知りたい?」
「当然」
当たり前だ。
知らないと、後でえらい目に合う。
「話せば長くなるよ」
「どのくらい?」
「幼稚園の運動会の、園長先生の話くらい」
少し間を置いて答えた。
「知らなくていい」
満面の笑みになる雛乃さん。
列車は、目的地へ走る。
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