レビューを書くにあたって、藤田宗磨さんの『白い羊と黒鉄の探偵』の魅力はなんであるかと何度か読み返していたのですが、濃くて魅力的なキャラクターや、圧倒的な文量による描写、最後に明かされる動機、ミステリーならではの謎による全体に漂う薄暗い雰囲気。
うん、どれも魅力的だけど、読み返して思ったのは、やっぱりweb小説にする為にミステリーでありながら対象年齢をさげているところじゃないかな? って思ったんですよね。
舞台装置は、村、学校、寺、デパート、公園。村は少し違うかもしれないけど、中高生でも馴染みのある物になっている。
そこに社会問題などを取り込んで、あたかも現代に起きそうな話に落とし込み、凶器もありえないと思えない理解の範疇にしているのだからすごい。
藤田宗磨さんの『白い羊と黒鉄の探偵』は、重厚なミステリーでありながら、明らかに読まれる対象として、web小説ユーザーを意識しているのがすごいんじゃないかと黒井探偵は推理しました(*´ー`*)ばっちゃんの名にかけて!
第一章『大蛇神の蛇使い』
草薙村で起こる不思議な事件。死体にはまるで巨大な蛇に絞め殺された様な後が……大蛇神の祟りなのか!?
第二章『絶望階段』
絶望王子と名乗る謎の仮面の人物からの挑戦状。手も触れずに階段から突然落とされる。狙われる不良達! このトリックを見破れるか!?
第三章『汚れた天馬』
周囲に何もない場所での天空からの落下死。強欲なる天馬の罰とは? その驚異から父を守って欲しいと依頼をしてくる小学生の少女は何者か……
第四章『罪深い水瓶の底から』
2020年10月現在進行中の事件です。
これらの事件に挑むは『黒鉄探偵事務所』の所長『黒鉄勘太郎』と助手の『羊野暝子』
狂人達の起こす事件に普通の人間では挑めるわけはない、警察すら介入できず2人に頼らざる得ない人物。
全身を全て白一色で統一し精巧な白羊のマスクを被る羊野暝子。マスクの下は美しい女性だがその中身は人としてどこか欠落した狂人。
そんな暝子のパートナー黒鉄も癖が強くダークスーツに身を包み何やら隠し武器も持っている様子。探偵としては今一つでもやるときはやる男。
この『白い羊と黒鉄の探偵』が挑む事件の数々。一見バラバラに見えるが裏で暗躍する影……
1話が4千文字~2万文字と読みごたえ抜群の推理小説です!狂人達が繰り広げる事件の数々、あなたはこのトリックが見破れるだろうか!?