6月の梅雨のジメジメとした時期に事件が起きました
あのゴールデンウィークから早くも数週間以上経ち、月日も6月の梅雨時期に入りました。
ゴールデンウィーク以降、西園寺さんのアプローチは彼女の宣言通り激しくなってきました。ご飯時は必ず
「先生♡はい♡あ〜ん♡」
と言って私にご飯を食べさせようとしてきます。最初こそそんな恥ずかしい事は絶対に無理と断っていたものの、昼のお弁当時はあえて私の分の箸を忘れるという事をしてきたりもして、これ以上拒み続けるどんな手段に出るか分からないので仕方なく、西園寺さんに何回か食べさせてもらう行為をしました。
それから、最近は2人で出かけるとなった時に必ず
「では、デートに行きましょう♡先生♡」
と、西園寺さんに言われるようになり、前と同じように2人でただ買い物に行くだけだったものが、「デート」という単語を使われ妙に意識するようになってしまった。
しかも、その際も西園寺さんはスッとさりげなく手を繋いできたり、腕を組んできたりするので、余計に意識してしまう。
最近の女の子同士ならこれぐらいのスキンシップは普通なのかもしれないが、私はゴールデンウィークで西園寺に告白されたのである。こんな私があのベストオブ美少女の西園寺さんに。意識するなと言っても無理な相談である。
そして、1番の問題は私の気持ちである。私は西園寺さんの告白にどう返事をしたらいいのか分からないままなのである。当然、私は教師なのだから生徒に恋愛感情を抱くなんていけないとは思っている。けど……本気で私の事を慕って好いてくれているのである。そんな健気な彼女の事を考えると、心の奥底で別の感情が何か訴えかけている。その感情が恋心なのか、恋を全く経験してこなかった私には分からず、結局今に至るまで答えを出さずにいた……
そんな日々を送っていた今日この日。梅雨時期に突入し、外でザーザーと雨音が聞こえる程雨が降っているそんな日にとんでもない事件が起きた。
「…………」
「…………」
西園寺さんと相沢さんが黙々とご飯を食べている。これ自体は特に珍しい光景という訳じゃない。相沢さんはあまり喋るタイプじゃなく、時々会話の流れに的確なツッコミをいれる感じだし、西園寺さんも基本相沢さんよりも私と会話してる方が多いと感じる事もある。だからといって2人が仲が悪いという訳でない。2人にしか分からない仲の良さがそこにはあるんだなと一緒に暮らしていくうちに理解している。
しかし、今日はそんな仲の良さは一切感じられず、あからさまに2人から険悪なムードが漂っているのである。
「えっと……もしかして……2人ともなんか喧嘩してる……?」
『別に喧嘩なんてしていません』
私が恐る恐るそう尋ねたら口を揃えてそう答える2人。仲いいのか悪いのかよく分からないけど、これは間違いなく……2人が喧嘩してるのは間違いなかった……
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