柊さんに悩み相談

マッサージチェアーが気持ちいいぐらいに私のツボを刺激してくれてる。あぁ……これはダメ……私も柊さんみたくなるわ……これは気持ち良すぎる……


「あぁ……これは……極楽ですね……」


「ですよねぇ〜……これも遥香ちゃんとこで作ってるやつらしいですよ……」


あぁ……どうりで……スーパー銭湯みたいなとこにあるのとは一味違うと思った。ちなみに、柊さんも再びマッサージチェアーにお世話になってる。しかし……これ……お風呂よりもこっちにハマってしまいそうで怖いんだけど……


「ところで……高橋さんは遥香ちゃんと結婚してるんですよね……?」


「ぶふっ!!?」


いきなりそんな事言われて思わず私は吹き出してしまい、一旦マッサージチェアーのスイッチを切って起き上がる。


「ちょっ!?どうしてそれを!!?」


「あぁ……すいません。世間には秘密でしたね。あの……あの件で理央君を叱ったらそういう話をしてくれたので……」


柊さんが苦笑を浮かべてそう言った。あぁ、そうか……あの一件で藤村君は柊さんに説明する必要があったから、それで彼女は私達の事を知ったのだろう。そう考えた時、ふとマッサージチェアーで忘れかけていたモヤモヤが胸に渦巻いてきた。


「……?高橋さん?どうされたんですか?」


どうやら私の想いが顔に出てしまったんだろう。私はすぐに「なんでもないです」と言ったのだが……


「……高橋さん。私は高橋さんと知り合ってまだ間もないです。でも、だからこそ私に全部話してみませんか?誰かに話すだけでもスッキリするし、なにより、高橋さんって悩みを抱えこんじゃうタイプだと思いますし」


うっ……柊さん意外に鋭い……私は確かに自分の想いや悩みを抱えこんでしまうタイプだ。それでよく夏流先輩や秋穂ちゃんにも指摘されたっけ……


「……分かります?私がそういうタイプって?」


「これでも先生としての経歴は高橋さんより長いんで」


エッヘンと胸を張ってそう言う柊さんは、やっぱり小学生女児にしか見えない。けど……そうね……確かに誰かに話すだけでもスッキリするというし……それに……私よりも先生として経験が長い柊さんなら本当に私の求める答えをくれるかもしれない。


「あの……聞いて……くれますか……?」


私は見た目は小学生女児にしか見えない柊さんに自分のこれまでの事を全て打ち明けた……

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