【30本目】ボヘミアン・ラプソディ(2018年・英)

【感想】

 レトロな映画が続いたので、最近のやつでいきます。

 公開初日に見てから5回くらい見たかな? うち4回は劇場。

 僕自身がバチバチに中学高校時代クイーンを聞いていた、っていうのが理由としてあるんですが。


 2018年の国内映画興収で第1位を獲得(コナンより上って相当っすよ)し、第91回アカデミー賞でも最多4部門を受賞(5部門ノミネート)、同年のゴールデングローブ賞の作品賞も受賞したオバケ映画です。


 70年代~80年代の空気感とかLGBTの孤独とか、色々語りたいことはあるんですけど、そういうのは色々語りつくされているし、自分がそんなこと語ろうとしても当時を体感した世代の方々以上のことは語れないと思うので、今回はこのバンドと映画に対する個人的な思いみたいなので語りたいと思います。


 僕がクイーンに初めて触れたのはテレビで何となく流れていた"We will rock you"で、初めて聴いたアルバムは"Greatest hits Ⅰ"なので、映画前半から中盤の"Bohemian Rhapsody"や”Killer Queen”でもしっかりエキサイトできました。

 でも高校時代の自分が鬼のように聞いていた、自分にとってのクイーンを体現するアルバムは、80年代のいわゆる後期クイーンの曲を収録した"Greatest Hits Ⅱ"なんです。

 このアルバム、"We will rock you"や"Bohemian Rhapsody"のようなクイーンといえばこれ!っていう名曲が収録されているわけではないんですが、とにかく”Radio GA GA”とか"Innuendo"とか"Greatest Hits Ⅰ"以上に印象に残る名曲の数々が収録されていて、高1くらいだった僕はそれに一気に虜になったんですよね。収録曲がバンドとして円熟期に入りつつあった時期の曲なので、多分曲の安定感とか頼もしさみたいなものとかそういうのに魅かれたのかもしれません。

 ゴーストバスターズ見て主題歌聴いた時普通に「これ"Invisible man"じゃんwwww」とか思ってましたし。

 ちなみにいまこのレビューは"One vision"を聴きながら書いてます。

 

 だからこの映画を観ていて本気でテンションが上がりだしたのは、後半になって"I want to break free"(MV込みw)とか"Under pressure"が流れ始めた時なんですよね。1回目に観たときは、後半パートでマジで高校時代に戻ったような気分になってましたよ。


 そんな自分にとって興奮、涙腺のピークはぶっちぎりでライブエイドの2曲目に"Radio GA GA"が流れた時でしたね。後期クイーンと言えばこの曲!っていうファンも多いと思いますけど、あのクライマックスシーンに自分が高校時代に腐るほど聴いたあの曲を持ってきてくれたって言うのが、なんというか自分の青春時代を全肯定してくれている気分になれてすっごい色々な感情がこみ上げてきました。

 ライブエイドがクライマックスになるって時点でわかりきったことではあるんですけど、それでも"ボラプ"の後にあのシンセサイザー使ったイントロが流れた時の【来たあああああああ!!!!】感といったら。

 "Radio GA GA"自体が【例えテレビやビデオの時代になっても、俺はラジオが好きなんだ!】っていうメッセージをはらんだ曲なんですけども、2010年代も終わろうという時期に70~80年代に活躍したバンドを大好きでいる自分が曲の主人公とダブったっていうのもあそこで感動した理由かもしれません。


 その後更にエンディングで流れ、映画のラストを飾ったのが"Show must go on"。

 鑑賞1回目に上映が終了してパッとスクリーンの灯りがついた時、【これは傑作】とか【感動した】とかじゃなくて、ただただ【ありがとう】って感情が支配してましたね。


【好きなシーン】

 もう上で大体書いたような気もしますけど、細かいところでは病室から出ていくフレディと、エイズの末期患者らしき若者との"AY-OH"のやりとりですね。あの時のフレディがエイズの陽性反応を知らされた直後であること、あの若者があの状況でもクイーンへの愛を忘れていないこと、あの状況のフレディが"AY-OH"と言われて"AY-OH"と返したこと、一秒にも満たないやりとりに分厚い文脈が宿った名場面です。


 あとは遅刻したフレディ相手に若干イラついてたブライアンが、自分から"We will rock you"の案を聞いたフレディがやる気になったのに対してニカッと笑っているところも好きです。

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