第58話 透明②

 元の性格に戻った西川さんはクラスに溶け込んみ、みんなの人気者になっていた。

 

 「じゃあ、また」


 「はい。お義兄さんもまた」


 そう言って店を俺は出た。


 外のには俺を迎えに車を運転してきてくれた西川さんが待っていた。


 「ごめん、お待たせ」


そう言って助手席に乗り込んだ。


 「また、憲と2人で話してたの?ねぇ。私にも何を話していたのかを教えてよ」


 西川さんは不貞腐れながら言う。憲は昔から何故か、私になつかないのに何で佐阿には・・・。

 

 西川さんは覚えてないのだ。自分が消えていたかった時の記憶を。

 まるでその記憶はどこかに行ってしまった。そう、透明になくなってしまったかのように。

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