第46話 嫌な奴③

 大智を肩をかかえて大智を家に入れる。

 正直こんな奴を家に入れたくなかったが大智は今意識が飛んでしまっている。

 この状態の大智を外に置いておくのは色々とまずい。

 

 「さくまにぃ。ごめんなさい」


 謝る紗季。

 紗季がやった事に対して俺は一切怒ってないのと伝えたのに先は申し訳なさそうにしていた。

 

 「私が余計な事したからこの人を家に入れないといけなくなちゃった」


 「いいだよ。紗季が俺の為を思ってしてくれたんだろ。ごめんな。心配かけてばっかりで」


 俺が弱音を吐くと紗季はぼやく。


 「本当だよ。私、さくまにぃがまた閉じこもった時、本当に心配したんだからね」


 涙を浮かべて言う紗季に対してもう一度しっかり謝ろうとした。

 ここまで妹に心配かけてしまった俺は兄失格である。

 だが、俺の謝罪は紗季に止められた。

 私に謝るならこのゴタゴタに決着がついてからにしてと言われてしまった。

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