第29話 夏休み⑤

 「佐阿くん、ちょっといい?」


 鈴が尋ねて来た。


 「今度さ。この近くでお祭りがあるの知ってる?」


 「…知ってるけど。それがどうかしたの?」


 「それじゃあ。その祭りに一緒に言って下さい」


 「ハッ?!無理…?!」


 すぐに断ろうとしたが鈴は一枚のチケットを持っていた。

 これは、俺が作ったチケットだ。

 

 「まだ、そんなの持っていたのかよ」


 「ふふふ。佐阿くんが2時間言うことなんでも聞くチケット〜」


 鈴はあの有名ロボットみたい声を出した。


 「ちゃんとチケット使うんだから、ね。お祭り一緒に来てよ」

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