第14話 流れ着いたガラス瓶の中の手紙 4

※宛名、署名、ともになし。

 似たような内容の手紙を複数発見。

 いずれも筆跡はひどく乱れているもののキャロライン・ルルイエと一致。




 昨夜もまたクトゥルフに食べられたときの夢を見た。

 痛かった痛かった痛かった怖かった怖かった怖かった。

 昨日はウロンウロンの花畑でピクニックをしたし、今日はパメーレのポルリリを観に行くけど、そんなのいくらくり返しても、あの日の恐怖も故郷への想いも忘れられない忘れられない忘れられない忘れられない。


 海に捨てられる空き瓶の量がどんどん増えてく。

 わたしの手もとに来る瓶なんてほんの一部。

 どうせゴミ。

 だからわたしのゴミみたいな気持ちを詰めて海上へ返す。

 わたしが助けた人類ってこんなやつらなの?

 こんなやつらのためにわたしは、バラの咲く公園にも流行りの映画にも行けなくなってしまったの?






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