第44話 バード・ウォッチャーによる音声記録
※渓谷での儀式を目撃したバード・ウォッチャーが鳥の声を納めるために所持していた録音機によるもの。
地元の警察署に保管。
中年と思われる女性の声
「……グルイ、フタグン……イア、イア、クトゥルフ、フングルイ、フタグン……」
(数種類の鳥が悲鳴めいた声を張り上げる)
「おお……」
「フン! 教えた通りちゃんとやれたようだね」
「ノベンバ! アンタいったいいつの間にどこでこんな魔術を……」
(人が倒れたと思しき音)
「ちょっとちょっと! 殺しちまったのかい? ここで死んでちゃ生け贄にならないよ!」
「やかましいねえ。気絶させただけさ。ちっとはお黙りよ」
「薬かい?」
「んにゃ。魂を肉体から軽く剥がしてやったのさ。剥がしたままにしておけば死ぬが、すぐに戻してやったから、じきに目を覚ますよ」
「ああ、ノベンバ! そりゃあまるで大いなる種族どもが使う術じゃないかい!
ノベンバや、アンタいったいどうしちまったんだい? いい加減に説明しておくれよ。フェブラリー・タウンから帰ってこのかた、すっかり別人じゃないかい。
もちろんアンタから大いなる種族のニオイがしていないのはわかっているよ。でも………」
「ああ。アンタたちは乗っ取りができるのは大いなる種族だけだと思ってるんだね」
(人が倒れたと思しき音)
(異様に大きな鳥の羽音)
(草を踏む音
※録音機の所有者が立ち去る際のものと思われる)
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