第7話 ロサンゼルスでのアデリンの日記 3

○月□日


 画面のアランの顔が変わった。

 確かにアタシと同い年な三十代の顔に。

 でもストーリーは前のまま。

 役柄も若者。

 アラン以外のキャストの顔は変わっていない。

 アラン一人だけがアタシの望みにつき合うように老け込んだ。


 驚いてルイーザに話したら『この映画はそういうもの』って言われた。

 望めばほかの配役も、ストーリーも変えられるらしい。

『劇場に入るときに自分がヒロインの恋物語を観たいと念じてみろ』って。

 それをやったらいろいろオシマイな気がする。

 ルイーザはやっているようなので黙っておく。

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