『隼人的逆鱗』
隼「うっ……なんか寒気が……」
世「わたくしもですわ……。それに、バカハルの気持ち悪いうめき声も聞こえた気が……」
隼「それはお前の欲望が作り出した幻聴だろ」
世「な、何故わたくしがそのような欲望を持たなければならないのですかっ//!」
隼「そりゃあ……だって…………なぁ~」
世「なんですか!!」
隼「いや、別に」
世「言っておきますが! わたくしはあなたが思っているような感情は持ち合わせておりませんから! 断じて!!」
隼「婚約してるから、もしあり得たとしてもそういう感情を押し殺してんだろ」
世「Σそ、それは……」
隼「ったく。お前んとこはそんなに束縛するような親じゃねぇだろ。嫌なら嫌って言えばいいじゃねぇか」
世「束縛するような親ではないからこそできないのです! 大切に育てられたからこそ、わたくしはその期待に応えなければならないのです! 親孝行もできないなんて……愚かですわっ」
隼「そりゃご立派だこと。けど、好きでもねぇ奴と一生一緒にいるなんて苦痛でしかねぇだろ。特にお前の婚約者といえば……」
世「お、思い出させないでください!;」
隼「マザコンだもんな」
世「ぶっ刺しますわよ!! というより、何故あなたが知っているのですか!!」
隼「何年か前に本人が自慢してきたんだよ。〝僕ちゃんはな! 江良家の可愛いお姫様と結婚するんだ! もう婚約だってしているんだぞ! うらやましいだろ! アハハハハ!〟ってな。ウザくて睨み返したら、〝怖いよぉママ~!!;;〟って叫びながら逃げてった。……そういえば、あれから会ってねぇなぁ」
世「…………;」
隼「今だけはお前に同情しといてやるよ。可哀相に」
世「お、お黙りっ! あなたに同情される筋合いなんか……! ──? あら……そうですわ。よく考えたら、あなたも同じ穴のムジナなのですね」
隼「は?」
世「親の言いなりになっているあなただって、どうせ結婚相手は親に決められるのでしょう?」
隼「Σ……!」
世「わたくしに同情するなどと言って、本当は自分のことが可哀相で可哀相でたまらないのでしょう? 哀れですわね。うふふふふっ」
隼「…………」
世「な、なんですかその目は」
隼「ファイヤーソォォォォォォォウルッ!!!!!!!!」
世「Σキャアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます