再び、取り戻す―(7/26)
※~[カリオス今田]視点~※
「──お願いしますっ!!!! レイたんは僕の命よりも大切なものなんですっ!!!! 返してくださいっ!!!」
「こんなもの授業には必要ないわ!! 没収じゃ没収!!」
「そんなぁ!!!! うえぇぇぇぇぇぇんっ!!!!!!;;;」
「男が泣くな!! みっともない!!」
「レイたぁぁぁぁんっ!!!!;;」
俺が教室に戻ると、ピーラーと凛のじいちゃんが、フィギュアを取り上げるか取り上げないかで揉めていた。
他の生徒も、休み時間ばりに騒いでる。
「──あっ、隼人くん! 凛くんは大丈夫なのかい!?」
「…………」
駆け寄ってきた王子を無視して席につく。
「ねぇ! 隼人くん!!」
「知らねぇよ! もうあいつのことなんかどうでもいい!」
「えっ!? な、何かあったの……!?」
「うるせぇ! いま俺に話しかけんな!」
くそっ!
あいつ……なんでもかんでも隠しやがって!
嘘つくことに何の躊躇いもねぇのかよ!
笑っていれば何でも許してくれるとでも思ってんのかよ!
「よ、よくわからないけど……ごめん……」
「お前が謝ってどうすんだよ!!」
「Σえぇっ……!?」
あぁもうムシャクシャする!!
どいつもこいつも意味わかんねぇ!!
「──王ちゃ~ん♪」
「? 母さん……?」
不意に、どこからか甘ったるい声が聞こえてきたかと思うと、王子の母親が扉付近に立っていた。
おい、あいつを看病してるんじゃなかったのかよ。
「どうしたんですか……?」
「あのね、王ちゃん達に頼みたいことがあるの♪」
「頼みたいこと……?」
奴の母親は、俺と目が合うと何故かウインクを飛ばしてきた。
おいおい……なんか面倒な予感がするぞ……。
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