そして、甦る―(17/34)


※~[カリオス今田]視点~※



あの時と……あの時と同じだっ……!


また俺のせいで……無関係な人間が傷ついてるっ……!


「うっ……」


思い出したくなかった記憶が……甦ってくるっ……気分悪いぃ……。


「……あの……本当に大丈夫ですか……?」


「大丈夫だって言ってんだろ!」


くそっ、なんなんだよっ!

いつものこいつなら、自分には関係ないとか言って先陣切って逃げようとするのに、なんでこんな時に限って……!


「チッ。男のくせに、女に助けてもらって情けねぇと思わねぇのかよ」


俺だって好きで助けてもらってるわけじゃねぇっ!


「……エリザベスさんのお兄さん。あなた、さっきから男だの女だのうるさいですね。男尊女卑ですか?」


「はぁ?」


おいトロっ!

余計なこと言うな!


「助け合うことに、男も女も犬も猿も関係ありません。そんなこともわからないのですか?」


「あぁ!?」


おい!

やめろって!


「──さすが凛! ワシの教え通り、支え合いの精神を忘れてはおらんな!」


「そりゃ、あれだけうるさく言われれば」


さ、支え合いの……精神……?


「はっ、助け合う? 支え合う? そんなもん貧弱な人間が言うことだな。力がない奴らは、黙って強いもんに従っていればいいんだよ。どの社会でもそうだろ。特に女は、どうあがいても結局男には敵わねぇって相場が決まってんだ」


「これだけ仲間を連れておいて、よくそんなことが言えますね。あなたは下っ端を従えているつもりかもしれませんが、私には、あなたが大勢の仲間におんぶに抱っこをしてもらっているようにしか見えません。しかも、女を見下している割に、妹は溺愛してるじゃないですか」


確かに、ややシスコン臭が……。


「絵里は特別だ。お前らみてぇなくそ生意気なガキどもとは違うんだよ」


「お兄様!! エリは今ダーリンともお兄様とも結婚したいです!! 愛があれば重婚も乗り越えられますわ!!♪」


俺には理解できない。


そいつを溺愛するお前が。


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