そして、甦る―(7/34)


──ときは、14時を回ったところ。


昼食を食べ終え、居眠りをする生徒が続出するなか、私達は学校祭について口論をしておりました。


「なんでそうなるんだよ!! 高校の学校祭は年間のビッグイベントだろうが!!」


「そ、それはわかってるんだけど……うちの学校は創立したばかりで、まだ生徒も少ないし、今年は開催しない方向で議決されたんだよ」


「お前らで勝手に決めてんじゃねぇよ!!」


「そうよ!! 富士子は文化祭の模擬店めぐりを楽しみにしてたのに!!」


「僕はスカートめくり競走がやりたかった!!」


「体育祭は何かとシャッターチャンスが多いのに……」


「ご、ごめんね……;;」


仲間がいないと押しに弱いんですね、会長さん。


先生は、〝君達の学校生活だ、君達で話し合いなさい〟とか言ったっきり読書してるし。


「正直に言うと、資金にも余裕がないんだよ。備品の補充や校舎の修復費が大きくて……」


まあ、皆さんやりたい放題やってますからね。


「そんなもん最初から計算に入れとけよ!!」


いや、多分あなたが計算外の出費を発生させているんですよカスさん。


「ごめん……。だけど、僕達も一応計算のうちには──」


∑パリィィィィィーン!!!!!!


「「「「「!?」」」」」


おいおいおい。

ちょっと誰ですか。

言ってるそばからガラス割ったの。


「ちょっとカス!! 富士子のほうに破片が飛んできたじゃない!!」


「俺じゃねぇよ!!」


「じゃあ誰よ!!」


「知らねぇよ!!」


割れた瞬間は見ていませんでしたが、多分カスさんではないですね。


そんなそぶりはありませんでした。


「ん? これは……」


その時、会長さんが床に落ちていた何かを拾い上げました。


それは、500円玉くらいの大きさの石でした。


「どうして……こんなところに石が……。まさか、誰かが外から石を投げて……」


誰だよ、授業をサボって投球練習なんかしてるやつは。


会長さんは、窓際に寄って外を見下ろしました。


すると……。


「∑あ、あれは……!!」


彼は目を見開いて、驚愕に顔を歪ませました。


「あぁ? どうしたんだよ」


私達もつられて窓辺に近づきます。


――そして、見てしまいました。


この学校の悲劇の始まりを……。


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