事故と出会いと共同戦闘Ⅰ

俺はいろんな物が入った大きなカバンを右手に持って、バスを待った。ここに来るまですごく大変だった。

じいちゃんが本当にすごかったよ・・・すごく・・・迷惑だった。

            20分前

「本当に行くのか?せかっく孫の顔が見れたと思ったら、すぐに次の地域の行くなんて、俺はすごく寂しいぞ。しかも、少し前まで強盗団に人質にされていたんだぞ。体が疲れているだろう。もう少し、泊っていけ」

「いや、今も苦しんでる人が居るから、その人を速く救いたい。それにちゃんと帰ってくるから。その時にはみんなで飯な。あと、これ」

俺はメモ帳をちぎった紙を渡した。

「これ、一番上が俺の携帯の番号とメアド。その下は家のだから。たまに翔祐たちに連絡しやってくれ。全然、繋がらなかったら、その下な。もしかしたら、友達の家で過ごしているかもしれないから。繋がらなかったらだぞ。興味本位で電話すんなよ。だからと言って、家に毎日連絡すんなよ!」

俺はじいちゃんのしそうな事を言った。じいちゃんはそのたびに体をビクッとしていた。する気満々だったな。

「おう、そんな事しないぞ。俺は常日頃、忙しいからな。そんなことしないぞ」

結構矛盾していますが。この状況でよく、常日頃忙しいと言えたな。ま、でも、俺から翔祐に言っておけばいいかな。そういえば最近、みんな声が思い出せなくなったな。声が聞きたくなってきた。翔祐は少しは大人の声になったかな。

「それじゃ、そろそろ行くわ」

俺はじいちゃんの心配が消えたことだから、安心して、これで行けると思った。だから、俺はそう言ってじいちゃんの背を向けて、歩き始めた。俺は振り向かなかった。振り向いたら、追いかけてきそうだから。・・・でも、それは酷いかな?

俺は手だけ振ろうと思い振り返った。じいちゃんはまだ、話をしていたところにいた。俺は大きく手を振った。じいちゃんは小さく手を振っていた。

これで良しと。俺は前を向いて歩き始めた。だが・・・

「真一~!」

と大きな声が近づくのを感じた。俺は振り返った。そしたら、じいちゃんは全速力でこちらに走ってきた。俺は急いでじいちゃんの距離を広げるように全速力で走った。バス停に直行ではなく、少し遠回りをした。・・・


と無事に今に至っている。そんなことを思い出している間にバスは来た。このバスは観光用のバスになることもある、地域をまたぐバスだ。次の地域まで2日かかるだろう。また、ゆっくり過ごせる。

「すいません、横良いですか?」

と若い男性に声をかけられた。すごく礼儀がよさそうな人だった。

「ええ、構いませんよ」

俺はそう言った。男性は頭をペコリと下げ俺の隣に座った。

俺は出発して30分くらいだろうか、俺は寝ていた。だが俺は俺にとって一瞬で目を覚まさせることが起きる・・・

バンッ!、ドドドドドド・・・キキッー!・・・きゃぁぁぁぁ!うわ!・・・ドン!

俺はすごい音に目を覚まされた。俺は丸一日寝ていた。だけど自分の中では1時間くらいにしか感じない。だが、今の音はなんだ。俺は周りをきょろきょろした。俺は全然状況が理解できなかったので、うろうろしている、隣に座っていた男性に聞いた。

「あの、何があったんですか?」

「見た感じ、この高速で能力者が暴れているらしい。今は中にいるのが安全だ」

「な、能力者が暴れている⁉」

「ああ、そうだ。多分能力鬼人化で自我を失ったんだろう・・・」

「なら、俺は此処にいる人とその人を救う」

俺は急いでシートベルト外して、立ち上がった。だが、男性は

「バカ言うな!相手は能力者だ。しかも、鬼人化している。あなたみたいな無能力者には何もできない!」

・・・なんだ、この人さっき、俺にはできなくて、自分はできると言ったような気がした。・・・いや、気がしたではない。そう言ったんだ。この人はもしかして・・・能力者なのか?俺みたいな無能力者には・・・には、何もできない・・・

俺は俺の中だけ時間が止まり、俺の思考は高速に回転して、彼の言葉の意味を考えた。・・・彼は能力かもしれない・・・

「ここから出るな!」

「あんたはどうするつもりだ・・・」

彼は俺を真剣な目で見た。彼は瞬きをした。違った。目を瞑った。そして目を開けた。その時、彼の右目は赤く光っていた。

――やはり・・・能力者か・・・

彼の眼は赤く光っていた。

「俺は彼を殺してくる。彼はもう助からない・・・だから、被害が出る前に殺す!」

俺は言った。

「助ける方法はある!」

「俺がさっき言ったことが分からないのか!彼は自我を失っている!」

「能力が消えれば、鬼人化は収まる!」

俺はさっきの彼の真剣な目を返すように見た。彼は俺の言葉に理解したみたいだ。

「まさか・・・あなたも・・・

「俺の名は桜川真一!能力者だ!」

俺は今も驚きを隠さない彼に言った。彼はすぐに真剣な顔になった。

「俺は小林拓海だ!今は彼を抑えているのが、小池涼音だ!涼音がそろそろ限界が来るだろ。俺たちを手伝ってくれ!」

「ああ、任せろ!」

俺ははっきりと言った。俺は此処にいる人たちを彼を救ってやるんだ!・・・


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