友達以上の言葉
彼女は今日も学校に来ていない。これで4日連続で休んでいる。俺は今日は彼女の病室に行こと思った。STが終わって、俺は教室を出ようとしたら
「ちょっと待って、桜川君。桜川君って坂本さんと仲がいいよね。今日の放課後、用事ある?ないなら、これ、坂本さんの今週のプリント類。渡しておいてくれるかな?家はここだから」
と担任の野崎先生が封筒とメモ用紙を渡された。俺はどの道彼女に会うつもりなので、承諾した。俺はまず、彼女の家に行った。だが、もちろんの事、彼女はここにはいなかった。代わりにお母さんが玄関から出てきた。
「こんにちは。同じクラスの桜川真一です。優菜さんのプリント渡しに来たのですか。優菜さんは家にいますか?」
俺ははっきりと彼女のお母さんに挨拶をした。お母さんはもの凄く明るい人だった。彼女に似ている。
「あなたが優菜の友達の桜川君ね。優菜は病院にいるわ。用事があるなら私から渡しておくけど、私としてはあなたから渡して、何か話でもいいから、優菜に会って欲しいのだけど。優菜にとって初めての友達だから、お願いしてもいいかしら」
とお母さんに頼まれた。俺にとっても初めての友達のだが。
俺は彼女の病室に向かって歩いていた。俺は少し緊張気味に廊下を歩いていた。俺はこの前彼女に連れて行ってもらったところに行った。そこには変わらず、『坂本優菜様』と書いてあった。俺はその扉にノックをした。
「どうぞ」
と返事が返ってきたので俺は扉を開けて、病室に入った。変わらない部屋に、変わらず元気の彼女がいた。この元気さがいつまでも続いて欲しいと俺は思った。
「あ、真一君。こんにちは」
「ああ、こんにちは。思ったより元気そうだな」
俺は元気そうな彼女に言った。もちろん元気な返事が返ってきた。
「うん!でも、学校には行けなくなっちゃった」
「そうか」
俺は少し残念に思った。もう彼女と学校で会えないと思うと悲しい。俺は強く思った。
——この世から、彼女の病気が無くなればいいのに!
とそう願ったとき、俺の視界は揺らいだ。右目がものすごく熱くなった。痛い!こんな痛み初めてだ。なんだ、この痛み。
俺が右目を抑えてうずくまっていたら彼女が心配し始めた。
「大丈夫?どうしたの。どこか痛いの?」
と言ってきた。俺は冷静になって、荒げていた息を整えた。そしたら次第に目の痛みが引いた。
「もう大丈夫だから。心配しないで」
俺は少し汗をかきながらも笑顔で彼女に言った。彼女は俺の様子を見て、少し安心したように深く息を吐いた。
「大丈夫ならいいけど、続くようなら医者に診てもらった方がいいよ」
と念押しに言ってきた。俺もこの痛みが続くのなら病院で診てもらうと思った。でも、何だったんだろう。あの痛みは。
俺は彼女にプリントを渡して、いろんな話をした。授業の事、クラスの事、弟たちの事、俺の昔の事、楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。俺は弟たちに面倒などがあるから彼女に
「悪いな、弟たちが待っているから、家に帰るわ。じゃあまた今度来るよ」
「うん、今度は弟さんたちも連れてきてね」
別れ際に彼女は言った。俺は一様どうなってもいいか確認をした。
「騒がしくなるよ」
と俺は念押しに何度も聞いた。でも、彼女はずっと
「騒がしい方が楽しいからいいよ」
と返してきた。大丈夫なら、また今度連れてこようと思った。そして帰ろうと病室を出ようとしたら、
「真一君!」
「今度はどうした」
俺は彼女に要件を聞こうとした。でも、彼女はなかなか要件を言おうとしなかった。
「こっちに来て・・・」
と俺を呼んだので俺はさっきまで座っていた、椅子に座った。でも、彼女は
「もっと・・・こっちに・・・」
と顔を赤くしていた。俺は体調が悪くなったのか確かめようとしたら
「私、真一君が・・・真一君が・・・好きだよ・・・」
と夢を見ていた気がした。そうこれは夢である。夢なはずだ。絶対。俺は夢であること願った。いや、夢じゃなくてもいいけど。でも、この距離で言われるとものすごく、恥ずかしい。
そして彼女は両手で俺の顔をもっと彼女に近づけた。いや、距離は0cmだった。俺の唇と彼女の唇は重なっていた。彼女の生暖かい感触が俺の唇が感じている。そして息が苦しくなってきたころに俺と彼女は離れた。
「え⁉」
俺は頭が状況を理解まで追いつかず、頭から湯気が出た気がした。俺の手や背中が熱くなった。顔もだ。顔は真っ赤になっていると俺は思った。今すぐに逃げたくなったが我慢した。彼女も顔を赤くしていた。
「返事はまた今度でいいから・・・」
そして少しの沈黙があってから彼女は
「ほら!弟さんたちが待ってるんでしょ。早く帰って上げたら」
と言った。俺はすぐに
「お、おお。じゃあまた今度」
と言って彼女は俺が病室を出る前に
「バイバイ、真一君」
「ああ、バイバイ。ゆ、優菜」
俺は病室を出る前に最後にそう言った。今まで気軽く『優菜』と言えたのに今回はすごく緊張した。いや、完全に詰まった。俺は病院の廊下を早足に歩いた。俺は病院を出た瞬間、体がぞわぞわした。そして、体が勝手に動いていた。
「うわあああああああ!これは夢だ!これは夢だあああああああ!」
と叫んで家まで走った。
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