★★★ Excellent!!!
”怪物退治”モノ? あーてぃ
怪異(怪談)モノはともかく、現代を舞台にした”怪物退治”モノとなると苦手なんですよね……。
”怪物”という存在自体が荒唐無稽。それを上手く”読み手”に呑み込ませる過程を経てようやく”怪物退治”が茶番でなくなるのに、説明らしい説明も無しで主人公が怪物退治だけを延々と続ける作品のなんと多いことか…
でも【天空の戰巫女ツクヨミ】は違います。
何とも言えない色が抜け落ちた様な雰囲気の”前日譚”、それに続く緊迫感に満ちた”逃走劇”が否応なく怪物(偽神、あえて言うなら戰巫女たち)の実在を肯定させてしまいます。
文章は技巧が凝らされ緻密。主人公の”視覚”以外に”嗅覚”を通した主観描写が多用されているのが特徴でしょうか?
転生を繰り返す1025回目の主人公”鴇谷要次”と六人の戰巫女(少女)の物語。
いかにも軽そうに思えるテーマに反して、読感も世界観もヘビー級。
ヒト味違った”怪物退治モノ”を読んでみないか? そう知人にオススメしたくなるような作品です(ΦωΦ)