嗤う

ぐたり、身体にかかる重力全てを両脇の警官に預ける

ちゃんとあるけ! そう言われる

もうやだ……あいつら……

心身喪失を装う

心が疲れたと、うん、心は疲れていた

でも、まだ、コイツはわざと残したんだ

「◾️◾️◾️くん!」

ほら、家から出てきた

「◾️◾️」

「本当に!? 本当に◾️◾️◾️くんが」

「なあ……おまえにやるよ、バイク」

「バイク……」

「家の裏にあるから……見に行って……いや、もう一度、お前が素敵だって言ってくれた」

寒気がするセリフを言ってきた◾️◾️

バイクを乗っている人間しか好きになれない

格好がつかない

アクセサリーにしか思っていない

「刑事さん、待って! ◾️◾️◾️くんのバイク! 今持ってくるから!」

「き、きみ待ちなさい!」

きっと自分のことが好きな男が「殺し」をやっていたが「好きな女」を「殺せなかった」という事実はステーキよりカロリーが高く、生き残った事実はパフェより甘い

簡単なイージートラップ

爆発していない、ということは警察は触ってないのだ

一番死んでほしいコイツは「一生懸命、好きな男の子の為に、その子のバイクを持ってくる」健気さを水の様に飲みたいだろう

警官が巻き込まれなければいいなあ、そんなことを考えた

先生は上手くいっただろうか

あの二人に情が移ることはない

全ては、全ては、自分の為に

意外にもできるもんだと、笑う

「何を笑っているんだ! 彼女は!?」

「もう裏に!」

「はや」

なあ、痛いか? どれほど痛いか教えてくれ

土の下、持ち上げられたバイク

よいしょ、よいしょ、可愛い私

がんばれ私、あとちょっと、なんでこんなに重いのよ

なんで、紐が

大きな爆音が聞こえた

何が不満かと言うとアイツが死んだか確認できないことだ

足下に設置したからなあ、と暗い空を見る

運がよければ生きてるかもなあ、と噴煙を見る

夜の森に赤が昇る

先生、見えてますか

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