休校の教室で

寒い

しかし仕込みはしないといけない

訪れた教室は外より暖かい気がする

「なにしてんだ」

振り向いた

なんとなく目をつけられているのでは、と思っていたから

その声に疑問は抱かない

忘れ物した

そう言って自分の机を漁る。忘れ物はないが置き物はある

次は階段がいい

「どうやってるかわかんねえけど」

わかってる

「手伝ってやろうか」

固まった

なぜ

「なんとなく」

なんとなく、か

それもいい

大変だよ、というと

一匹狼は苦笑した

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