神の怪物
復活し激闘を交える【
その理由を互いに推測する中で、フォウルは介する
しかしエリク本来の
彼は【
その生まれ変わりであるエリクに本来の持ち主である
当初はそのせいでエリクが自分の生まれ変わりだと誤解していた事を明かしたフォウルは、自身を
それでも全ての
それはジュリアが真っ先に殺そうとした
しかしそれを聞かされたジュリアは最初こそ唖然としながらも、次第に激昂した表情を浮かべ始める。
「――……あの女が、ヴェルズの生まれ変わり……? ……アタシを止める為に、そんな嘘まで吐くのかよ。テメェはそういう
「……本当に、嘘だと思ってんのか?」
「あ……?」
「今、
「……ッ」
「その様子だと、やっぱり
「……」
「そういえば、『
「……それでも、アタシは信じねぇ」
「だったら殺すか? ヴェルズェリアやドワルゴン、
「!!」
「テメェがやってることも、
「……うるせぇ」
「テメェがそんな連中も殺して、守りたかったモンも何も無くなった世界に
「……ウルセェッ!!」
ジュリアの目的と矛盾する行動を罵りながら指摘するフォウルは、腕を組みながら自信に満ちた厳つい顔でそう言い放つ。
それに対して反論できないジュリアは、再び両手に
しかしフォウルは鋭い眼光を向けるだけで、構える様子を見せない。
そんな相手に、ジュリアは怒鳴り聞いた。
「じゃあ、テメェはどうなんだよっ!! テメェだって、一度は人間大陸を滅ぼそうとしたんだろうがっ!!」
『!』
「……アイツから聞いたのか?」
「ああ、そうだ! 人間大陸で暴れ回って、幾つも人間の国を潰したんだろっ!! テメェだって、人間共のやってることにはムカついてたんだろうがっ!!」
「……まぁな」
「だったらっ!!」
「だが、今のテメェと一緒にすんな」
「!?」
「
「……ッ!!」
「
「……なんだよ……。……何だよ、そりゃ! テメェだって、人間に……『
『!』
「……」
「それでもテメェは、人間が滅ぼしたいほど
更に
それに対してフォウルは瞼を閉じた後、数秒ほど考えてから瞼を開いて答えを返した。
「フォルスの馬鹿が死んだのは、自業自得だろ」
「!?」
「テメェ等が【
「……クソ鬼が……。それが
「それ以外にどう言えばいい? それとも、こう言ってほしいのか。『
「!!」
「フォルスの馬鹿は人間を信じ過ぎた。自分が人間との間に生まれた
「……ァアアアッ!!」
『!!』
突き放すようにそう答えたフォウルは、ジュリアが求めた
するとそれに激昂を高め、ジュリアは右手に蓄えた灼熱の
それに対してフォウルは避けようとせず、そのまま
しかし灼熱の中で薄らとフォウルの
「――……そんなヌルい熱で、俺を殺せると思ってんのか?」
「!!」
「こちとら、
「……クソッ!!」
フォウルは太陽のような熱量を放つ
それを聞いたジュリアは左手にあるもう一つの
しかし次の瞬間、胸の前で組んでいた両腕をフォウルは解く。
そして右手を動かし、薙ぐように腕を振りながら周囲を覆う
「!?」
「――……
「……ありえねぇ。本物の
「ま、少し前なら効いたかもな。……だが
「……!!」
フォウルはそう言い放つと、薙いだ右腕を動かしながら手の平を広げる。
すると次の瞬間、その肉体を覆う緑色の
それを見たジュリアは赤い瞳を見開き、
「吸収した、もう一つの
『やはり、ログウェルの……?』
「まぁな。あの
『分解……。それで、あの炎を全て効かなくしていたのか』
「そういうこった。……さて、クソガキ」
「!」
「どうする、このまま戦い続けるか? 俺はそれでも良いがな。……それとも、無い尻尾でも巻いて逃げてみるか? 俺からよ」
「……ッ!!」
「別に逃げてもいいぜ、追わねぇよ。――……だが逃げるなら、二度とその
「……上等だ。……だったらテメェを殺して、その
フォウルの挑発を受けたジュリアは動揺を鎮め、再び冷静で冷徹な
そして二人は向かい合い、改めて身構えながら両拳を握り締めた。
すると二人が衝突する為に動き出そうとした瞬間、彼等に向かって来る凄まじい
それを視認した二人はその場から消え跳び、二人の間を遮るように巨大な
そして貫かれた大地の奥底には海水が流れ込み始め、奥底すら視認できない巨大な穴が聖域に作り出される。
フォウルとジュリアはその
「チッ、もう来やがった」
「……相変わらず、馬鹿げた
二人が見たのは、暗雲の先を切り開くような巨大な穴と、その先に見える一匹の巨大生物。
それは
更にその下に見える地上からは、凄まじい速さで走り抜けて来る巨大な
その巨大な
そして暗雲を突き抜け、その中から大陸規模にも及ぶ
更に
『――……グハッハッハッハ! 久し振りだな、
『――……随分と懐かしい匂いのする
「なんだ、まだ生きてやがったのか。ファフナー」
「……相変わらず、アタシ等を
天地を分けて現れながら『
そしてそれぞれ現れた顔見知りである怪物達の名を口にし、戦いの手を止めた。
彼は魔大陸の一角を担う
そして
彼女もまた魔大陸を主な棲み処とする
この世界において『三大魔獣』に数えられている二種族の王が、ジュリアとフォウルが激突する人間大陸に現れる。
そしてこの二匹こそ『
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