風雷激闘
『生命の火』を覚醒させ『無我の境地』の
しかし
そんな
更に
家族と呼べる二人の覚悟を理解したケイルは、彼等から背を向けながら走り出す。
そして妖狐族クビアとリエスティア達が居る場所まで駆け付ける中、
そんな二人の特攻に対して、ガリウスは右手に作り出す
しかもそれ等の矢には『火』『水』『風』『地』となる各属性の魔力が込められ、その四本の矢を絡ませるように弓の弦に左手を掴ませ引いた。
「その覚悟に応えて、全力で
「!!」
ガリウスの左手から四色の矢は放たれ、それが向かって来る
更に色別れしていた四本の矢は、その途中に混じりながら様々な色の混じる巨大な
その
そしてギリギリながらも、二人は
しかし二人の間を通過した
「避けても無駄だ」
「ク――……『
次の瞬間、通過する
それが周囲に満ちるように拡がりながら
その瞬間、
しかしそれはガリウスの新たに放つ最小の矢によって迎撃され、中空を舞うよう幾つかの苦無が『爆』の起爆札によって爆発を起こした。
すると爆発の中から幾つかの
「ッ!!」
「さらばだ」
そのまま
しかし次の瞬間、ガリウスは驚くように瞳を見開く。
その視線の先には、
「これは、『
二人が転移によって現れた事を理解したガリウスは、二人の傍に落ちる
そして二人が転移すると同時に紙札の印字が消失するのに気付き、先程の苦無に巻かれた紙札が『
『
それでも
しかしガリウスが驚いた理由は、『瞬身』の術を
『緑』以外の魔力や生命力を用いた
その状況に改めて懐疑した落ちている
「
ガリウスが見たのは、
それは起爆札の爆発効果を高めている為に塗られていた油であり、同時に降り注ぐ雨を弾く為の
更にこの雨が自分達の
そして起爆札の
これによりガリウスの
「――……
「!」
咄嗟の状況が続く中、
そして一気に近付いたガリウスに対して、血塗れの
それに対して
更に『爆』の印字が刻まれた紙札付きの
「なかなか良いな、お前達はっ!!」
「!?」
ガリウスは
その矢は空高くまで向かい、迫る
その意図を理解できずとも迫る
「ヌウゥ――……ッ!!」
しかし右手を下に
更に左手に形成した
それを避けながら小刀を構えて迫る
「ッ!!」
「……
「グッ!?」
「ガハッ!!」
歓喜の表情と声を見せるガリウスは両腕を激しく突き出し、受け止めていた二人の刃を押し返す。
それと同時に僅かに態勢を崩した二人は同時に別々の位置へ刃を向かわせようとする中、ガリウスは身を捻りながらそれを跳び回避し、両脚を回しながら二人の顔面に蹴りを直撃させた。
それによって二人はその場から吹き飛ばされ、
しかしすぐに起き上がろうとした二人に対して、ガリウスは右手の人差し指を真上に向けながら言い放った。
「楽しいぞ。ナニガシと千代の子供よ」
「グ……ッ!!」
「だが、これはどうする。――……『
「ッ!!」
次の瞬間、
それは分裂した
何手か先を読んで矢を放ったガリウスの矢に対して、
そして躊躇いも無くガリウスへ向かい、互いの
それを見たガリウスは、微笑みの声を向ける。
「正解だ。矢は俺の居る場所には――……落ちて来ないっ!!」
「っ!!」
「はぁあっ!!」
二人は矢を
それを迎撃するガリウスは両手に作る
ニ対一の攻防ながら、ガリウスは精神体であり
一方で身体に纏わり付く雨が
しかし長年連れ添う二人はその不利を補うように連携し、ガリウスに攻撃の隙を与えないようにしている。
そして上空から矢が降り注ぎ終えるのを待ち、この状態を保ちながらガリウスを仕留める気概を見せていた。
それでも
「――……遅いっ!!」
「グッ!!」
「
既に重傷とも言える傷を負う二人は多くの血を流しており、その痛みと失血に耐えて動き続けている。
その状況は彼等の動きを本来の実力から更に遠ざけ、ガリウスにその隙を突かせることになった。
前蹴りを放ち
それが
それに気付く
「ぐっ!!」
「これで、一人目だ」
『瞬身』での回避を止めたガリウスはそう言い放ち、降り注ぐ矢に無防備なままの
そしてコンマ数秒にも満たない時間で地面に矢が突き刺さろうとする瞬間、
すると
それを見た
「……向こうの
「!!」
ガリウスが見たのは、自分と同じ『緑』の
彼はこの
しかも真正面から激突するバリスとは脚撃だけで対応し、隻腕の右手を向けて
更にそれと連動する動きで身を捻ると、右手だけを地面に着けながら両脚でバリスの
「むぅッ!!」
「遅いっ!!」
バリスは両腕の防御を弾かれると、エアハルトはその隙を突くように逆立ちのまま鋭い右蹴りをその胸に浴びせる。
それによってバリスは胸を電撃で焼かれながら、ガリウス達がいる場所近くまで大きく吹き飛ばされた。
そして電撃によって強化された神速を持ってガリウスに接近し、上空に跳び上がりながら傍に立つ
「邪魔だ、
「!」
そう言い放つエアハルトの右腕に溜めた電撃が瞬時に溜められ、その意図を即座に察した
すると
ガリウスは
そして電撃と矢が衝突し、その
辛うじて電撃の直撃を防いだガリウスだったが、その傍に着地しながら睨みを向けるエアハルトへ視線を向ける。
更に起き上がる
「
「――……ええ。どうやら彼は、以前に対峙した時よりも遥かに強くなっているようです。それに、あの電撃も厄介でして」
電撃を纏わせた脚撃を受けた胸部分や防御していた手足が焼け焦げている様子を見せるバリスは、エアハルトに対してそうした評価を向ける。
そしてガリウスは自らの意思で跳び下がりながらバリスの傍に立ち、エアハルトはそんな二人の正面に立ちながら睨みを向けた。
しかしその
「さっき言ったはずだ。見物でもしていろと」
「!」
「コイツ等の相手は、俺だけで充分だ」
エアハルトは二人にそう言い放ち、自ら纏わせている
すると人型の
それと同時に電撃を纏わせている全身の毛を金色に染め上げ、改めてガリウスとバリスを睨む。
「……
「第二次人魔大戦で戦ったという、狼獣族の青年ですか。では、貴方が
「いいのか? お前の相手だろ」
「最後まで御相手したいのは山々ですが、どうやら
「そうか。――……じゃあ、あの狼小僧に呆れられないよう。こっちも本気でやるか」
「お願いします」
『緑』の
しかし二人は対峙するエアハルトではなく、彼等自身に歩み寄りながら『緑』の聖紋の刻まれている右手と右手を重ねた。
すると次の瞬間、降り注ぐ暴風や豪雨を吹き飛ばす程の緑色の
その
それを見たエアハルトは、訝し気な目を向けながら低い声を向ける。
「……なんだ、貴様は?」
「――……俺達が融合した姿さ」
「融合?」
「『緑』の聖紋は歴代継承者の魂と人格を
「……フンッ。よく分からんが、
「俺達の
「……!!」
この時にユグナリスとマギルスにも起きていた融合体と同様に、ガリウスとバリスの
その融合体から生み出される
それを見るエアハルトは、
「丁度いい。俺が更なる
「やってみろ、
互いに暴風と電撃を巻き起こしながら凄まじい速さで駆け跳び、互いの右拳を激突させる。
その衝突によって暴風と電撃が交じり合い、その一帯の空間を満たす程の巨大な衝突と衝撃を起こした。
その衝撃と電撃混じりの暴風に巻き込まれぬよう、その場から
そして完全にエアハルトへ戦いを委ね、その決着を見届ける様子を見せた。
こうして三年前の
それに対抗する『緑』の
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