欠片の行方
自殺を目論み世界を破壊しようとする
それを完全に払拭する為に、アルトリアとケイルは自分達と同じ
現状、『
アルトリアとケイル、そしてユグナリスとエリク。
残り三名の『
「――……誰かに……って、もう転移しやがったよ……コイツ……」
「
「それをやって、昨日はお前の兄貴に説教されてなかったか?」
「お兄様の御説教なんて、聞き流すのも慣れたわよ」
「……この御嬢様、やっぱ
「それより、『青』が居る場所を探しましょ。居なかったら
遥か上空に浮かぶ白い
そして
「――……アルトリア嬢、どうして
「アンタ、アルフレッドだったっけ。『青』は
「『青』ならば、自分の
「そっちはもう片付いたわ。……そうだ、アンタは『黒』から何か聞いてたりする?」
「何をですか?」
「
「七人……。……私やウォーリス様が『黒』に聞いたのは、貴方が『
「そう、じゃあいいわ。ケイル、
「お、おい! またかよ――……」
アルフレッドから手掛かりを聞き出そうとしたアルトリアだったが、そこに望む情報が無いと分かり即座に『青』がいる
それに巻き込まれるように再び腕を掴まれ転移したケイルの声と共に、二人はその場から消えた。
そうして唐突に現れて去ってしまった二人に首を傾げる挙動を見せた後、
「……
過去の記憶を振り返るアルフレッドは、その時に出会った異常な
しかしそれを伝えるべき二人の姿は既に無く、義体ながらも嘆息を漏らした。
一方その頃、『青』が戻ったという
以前に
しかし初めて訪れる魔導装置や機械だらけの地下空間に、ケイルは驚きを浮かべる。
「――……な、なんだよ……今度は……!?」
「『青』の
「あ、ああ。……ったく、コイツが転移魔法を覚えると厄介過ぎるだろ……」
慣れた様子で歩き始めるアルトリアに、ケイルは呆れる溜息を漏らしながら付いていく。
そして渡り廊下を歩きながら周囲に機器や装置を見て、ケイルは記憶の片隅にある景色と重ねるように思い出していた。
「……なんかここ、見覚えがあるな……。……そうだ、
「その原型みたいなモノよ。ここには、『青』の
「本体?」
「ええ。未来の私を阻んだ、『青』の本体よ」
「……もしかして、未来で私達を助けた『
「そういうこと。――……と、言ってる間に着いたわね」
「!」
二人はそうした話を交えると、自動的に前を塞いでいた扉が横へ
そして躊躇いも無く踏み込んだアルトリアは、そこで魔導装置とその映像を見ている
「師匠、聞きたい事があるんだけど」
「む? ――……アルトリアではないか。それに『赤』の女も。どうした?」
「貴方が言ってた、七つに分けられた
「……どういうことだ、何故それを知りたい? 情報を欲するなら、対価となる説明をしろ」
「……そうね、
唐突な訪問と質問の意味を問い質す『青』に対して、アルトリアは情報を得る為に仕方なく事情を伝える。
それを聞いた『青』は溜息を漏らしながらも、それを予測していたかのように言葉を続けた。
「――……なるほど、世界の破壊は免れてはいないか。……それで、再び
「ええ。ただし五百年前と違って、今度は所有者を殺すつもりはないわ。ただ集まって、
「……」
「ちなみに、四人は既に『黒』から聞いてるわ。私とケイル、そしてユグナリスとエリク。この四人以外の三人で、心当たりはない?」
「……例えその方法が最善だとしても。
するとそうした態度を見せる『青』に、アルトリアは確信に近い言葉を向けた。
「その様子だと知ってるわね? 他の欠片を持つ所有者を。誰?」
「……」
「誰なの? 教えてよ。こうしている間にも、
「……むぅ……」
「ちなみに、マナの
「!」
「だから教えて、師匠。……こんな形で、また貴方を
渋い表情を強めるアルトリアは、そう言いながら右腕を微かに前へ向ける動作をする。
それが
すると瞼を閉じながら諦めるような様子を浮かべる『青』は、
「……儂が匿っている子供達の中に、
「!」
「あの子等は生まれながらに聖人であり、特別な
「判別方法は?」
「分からぬ。だが
「そう。……だったら、あの子達に会わせて」
「……
『青』はそうして保護している聖人の子供達の中に、
それを聞き彼等との面会を求めるアルトリアに応じて、『
それに追従するアルトリアやケイルは、地下施設の更に奥まで進む。
すると再び魔導装置が並び置かれ転移の魔法陣が敷かれている場所へ向かい、三人は聖人の子供達が暮らす地下の楽園へ転移した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます