最終兵器
マナの
しかし圧倒的な物量と破壊力を誇る『神兵』の強襲を受け続け、エリクは心身共に大きな消耗を強いられた。
そうして誰の助けも得られない中でエリクが求めたのは、自身の
しかし他力本願の
そして魂を経由して
すると『神兵』を相手として教え導くように、
それはエリクにとって、今まで足りていなかった超人的な戦闘経験を蓄えさせていった。
そうした一方で、マナの
悪魔ヴェルフェゴールと交わした契約によって魂を代価としていたウォーリスは、
それを止める為に精神体で向き合っていたアリアは、白の
その激突によって二人の精神体が在る空間は白と黒の螺旋が築かれ、暫くしてそれが治まる。
すると螺旋を描いた中心地点に、向かい合う形で睨み合うアリアとウォーリスの姿が見えた。
「――……クッ!!」
アリアは右足を踏み込ませた姿勢で放つ両手の手刀を、ウォーリスの精神体に向けている。
しかしそれは作り出されている
そして障壁越しに睨むウォーリスは、
アリアはそれを見ながら両腕を引かせた後、再び素早い突きを繰り出した。
「ッ!!」
「無駄だ。
「……これ以上、何をしようってのよ……っ!!」
「決まっている。――……カリーナを確保し、再び
「!?」
「私の
そう叫び唸るウォーリスの言葉と共に、投影された
更に
それを間近で確認するアリアは、厳しい表情を浮かべて察する。
「まさか、『
「ああ、そうだ。――……なるほど、『
「
アリアは『神兵』を起動させようとするウォーリスに対して、瘴気の爪を纏わせた右手の手刀で迫る。
それが辛うじて障壁を突き破り、
「!」
「ウォーリス、アンタいい加減に――……!?」
「な、なんだ……っ!?」
ウォーリスの手を掴んだ瞬間、周囲に投影されていた操作盤が突如として黄金色に輝きを強める。
するとウォーリスが操作していないにも関わらず、次々と
それを視線で追うアリアは障壁が失われた事に気付き、驚愕を浮かべながら流し映る
「この言語は……!!」
「なんだ、何が起こって……そうか、お前の影響かっ!! アルトリアッ!!」
「!?」
「
突如として起きた現象が『
しかし目まぐるしく動く
「どういうことだ……何をしている、
「知らないわよっ!! そんなに嫌なら、さっさと止めなさいっ!!」
「止められないから言っているっ!! ――……なんだ、この
「……これは、まさか……!!」
二人は目まぐるしく動く映像の
二人にとって見た事の無い顔がほとんどの画像だったが、アリアには一つだけ覚えのある顔が確認できた。
それは実際に見たわけではなく、ある者の魂に存在した人物。
その名をアリアは口にし、驚愕を浮かべながら目の前に映る情報の意味を読み取った。
「これは、鬼神フォウル……。……まさかここに映ってる
「!!」
「でも、なんで
見えている
それを証明するように、二人の真横に出現した巨大な
「これは……!」
「……やっぱり、これは……『
「なにっ!?」
「『
投影された映像が自分達に居る『
それが『
「ウォーリス! 今すぐに、私に制御権を渡しなさいっ!! まだ間に合うっ!!」
「どういうことだっ!?」
「このままじゃ、本当に世界は滅ぶのよっ!! アンタの大事にしてる
「!!」
「早く――……っ!!」
制御権を譲渡するよう伝えるアリアを遮るように、次々と動き出していた
それが何を意味するか理解したアリアは、表情を強張らせながら呟いた。
「『
「何が間に合わないんだっ!?」
「……五百年前、復活した『
「!!」
「つまりこれは、その続き。……『
自身の推察を伝えるアリアは、立体図で浮かぶ『
それは白い
更に魔力を用いた数多の魔法陣が中空に描かれ、その下に時空間魔法と同じ転移の穴が出現する。
その穴には人々が暮らしている
「あの馬鹿デカい砲塔が、星を破壊する
「……ッ」
「しかもアレは、ただの砲撃なんかじゃない。……物質どころか、精神や魂すらも全て破壊する……!!」
「何故、そんな事が分かるっ!?」
「
「……なら、アレが放たれれば……」
「人間も魔族も、何も関係ない。……全てが消え去る。……アンタの大事な
「……!!」
アルトリアと同じように『
それは五百年前に果たされなかった『
こうして事態は最悪の形で進み、『
それは自分の創り出した
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